2007 August

Sphinx Broadcasting Station

SENDAI AKIU - Life, Work, Weblog

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更新日 2009-01-02 | 作成日 2007-10-20

8月27日(月) 自閉症カンファレンスNIPPON 2007


DSCF1109.jpg この土日に早稲田大学の14号館で開催された,「自閉症カンファレンスNIPPON 2007」に参加してきました。土曜日の朝6時発の新幹線で行き,昨晩21時に帰宅。疲れが取れずボーッとしていますが,今日から始まる2学期に向けてパワーをもらいました。感想は後日あらためて。

 昨日はもう一つうれしいことがありました。東京駅で皇太子のご一家と遭遇したのです。新幹線の改札口を通るところを間近で,しかも最前列で見ることができました。写真を撮るのに夢中になって,実物をあまり見れなかった…。

8月23日(木) 上沼高校・MAP体験会


 明日は上沼高校のMAP体験会に,他の2名のファシリテーターと一緒におじゃまします。どんな学びの場になるか,今からワクワクしています!

8月20日(月) 中高生リーダー研修会(3)リーダーの立ち位置


DSCF0055.jpg 今年の中高生リーダー研修会で,マシュマロリバーの次に印象的だと生徒が指摘した活動が,最終日(3日目)の午前中に行ったバルーントロリーでした。こちらの事前の想定では30分以内のちょっとした活動というイメージだったのですが,やってみたら1時間かけたメインの活動になってしまいました。こういうのはうれしい誤算ですね。

 バルーントロリーというのは,風船を使った単純な活動です。みんなで1列縦隊になって,前の人と自分の間に風船をはさみ(手で触れたり腕で支えたりしてはいけません),その状態でみんなで前に進むというものです。前の人が急ぎすぎると,後ろの人との間隔が広がって風船が落ちてしまいます。もし誰かの風船が落ちたり,風船にさわってしまったりしたらアウト!先頭の人が一番後ろに回って,再スタートになります。

 今年のリーダー研修会のグループ目標は,2日目にみんなで話し合って「絆信迅輝」ということになりました。絆を大切にして,互いに信頼し,決定行動は迅速に,そしてみんなの個性が輝くように…という意味で,四字熟語のように漢字を四つ並べてつくりました(四字熟語のように…というのは中学生のアイディアでした)。盛りだくさんな目標で,4つすべてについて活動で深めることはできなかったのですが,みんなの様子を見ていると,4つの中でも「絆」という部分を大切にしたいという気持ちが見えたので,バルーントロリーもそこに焦点を当ててみました。「絆」という言葉の意味をどう共通理解するか,体験をとおしてその言葉に乗せた互いの思いを理解していこうというわけです。

 また,リーダーとしての悩みを1日目の活動で出し合ったときに,「リーダーと一般の生徒の気持ちの温度差」というのが多く出されていて,リーダーとして「笛吹けど踊らず」といった状態に悩んでいることが分かり,ちょっと視点をかえるきっかけになるといいなという思いもありました。

 さて,自分の風船を選んでふくらませ,活動開始です。はじめは3つの班に分かれて,それぞれアイディアを出し合ってチャレンジしました。早くゴールする班,何度も風船を落としてもたつく班と,三班三様の取り組みでしたが,一番最後にゴールした班から最後に出たアイディアが「後ろから風船を押す感覚で…」というものでした(このやり方でやっと成功!)。

 すべての班がゴールした時点で,みんなで輪になって振り返りです。まずは先頭・最後尾・その間の3つの役割でそれぞれどう感じたか出し合いました。次に上手くやるためにどんな作戦を立てたかを各班から発表してもらい,最後にゴールした班から「後ろから押すように」という話が出ました。他の2班に「そういう感覚はあった?」と聞くと,イマイチ分からないといった様子だったので,もう一度やってみることにして,今度は全員で1列になって「後ろから押すように」してやってみました。19人が1列になって風船だけでつながって進むというのはとてもタイヘンでしたが,ゆっくりと時間をかけて,生徒たちはゴール地点まで進むことができました。

 みんなでゴールした一体感を感じながらの振り返りでは,先頭が進みすぎると後ろが困るという状況が,いつも自分たちが学校でリーダーとして困っている状況と似ているよねということ。風船を互いの絆だとしたら,風船をはさまずに普通に一列になって歩くならとても簡単だけど,互いの絆を確かめ合いながら進むととてもタイヘンだった。でもその分,やり終えて気持ちがいい。「絆」ってこういうことかもね。というような話になりました。

 このバルーントロリーをしていつも思うのは,先生たち,とくに校長や教頭になるような人には,ぜひ体験してもらいたいということです。なぜなら,やる気があってリーダーシップがある(と思っている)校長の下で働くのは,苦労が多く楽しくないんですよ。後ろの人たちのやる気で踊らされる(ように見える)校長ほど,いいリーダーシップをとっているということだと思います。クラス経営も,きっと同じなんだろうな…。

8月19日(日) 沢遊びでサンショウウオを観察(月山・石跳川)


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 火曜日から月山弓張平オートキャンプ場に2泊,鶴岡の実家に2泊して,昨晩久しぶりに仙台に戻りました。やはり仙台は涼しいです。

 毎年恒例になった月山キャンプ。今年は月山自然博物園での沢遊びがメインの行事になりました。キャンプ場から車で10分ぐらい登っていくと,月山自然博物園の活動拠点施設「ネイチャーセンター」があります。そこから散策路を少し歩いて,石跳川で沢遊びをしました。水は冷たく,川面を流れる風はとても涼しくて,猛暑でうだるような暑さだったキャンプ場とは別世界です。ハンモックも3つ設置されていて,沢で遊んだり,ハンモックで木漏れ日を楽しんだり,こどもたちはおなかが空くのも忘れて遊び続けていました。親もゆっくりできてよかった!

 写真で観察装置の中にいる生物は,サンショウウオの幼生です。すばしっこくて捕まえるのがなかなかタイヘンなのですが,taroは苦労して捕まえたサンショウウオを観察ボックスに入れて,「足に水かきがついている」「足に黒い点がある」などと言いながら観察していました。出がけにインタープリターのおにいさんから「手で持ったりして温めるととたんに具合悪くなるよ」と言われていたので,観察ボックスの水の入れ替えなどをして冷たさを保つように努力してて,観察した後はすぐに逃がしてあげていました。「持って帰って飼う」と言わないところが,成長ですね。

 今回のキャンプは WISH のキャンプデビューでもあります。WISH はさっそく自然からの歓迎を受け,バンパーの下の方に「うどんげの花」がつきました。三千年に一度花が咲くという幻の花です。…というのは伝説で,実際はクサカゲロウという昆虫が生み付けた卵だそうです。規則正しい配列と透き通った緑色がとてもきれいでした。初めてのキャンプで三千年に一度しか咲かない花が咲くなんて,WISHは幸運に恵まれているのかも!

山形県立月山自然博物園
うどんげの花/虫の雑学 (社)農林水産技術情報協会


8月18日(土) フェーン現象


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 東北地方の暑さは一段落です。前線が通過して空気が入れ替わるだけで,劇的に気温が変わりますね。写真は昨日訪れた秋田県にかほ市の元滝です。豊富な伏流水が滝になって流れ出る場所で,冷たい水のために辺り一面靄がかかっていました。涼しかったです。

 このところの猛暑で,昭和8年に山形市で記録された最高気温記録40.8℃も破られてしまいました。新聞やテレビの気象情報ではフェーン現象という言葉が何度も使われていましたが,フェーン現象というのはどういうことかご存じですか?

 ごく簡単に書くと,湿った風が山を越えて反対側のふもとに吹き降りるときに,最初の状態より乾燥して高温になってしまう現象のことを言います。湿った風が山の斜面を上昇するときに,気温が下がって雲ができ雨が降ります。風に含まれる水蒸気が持っていたエネルギーが,雨滴になるときに熱として放出されて風の空気を暖めます。水分がしぼり取られ,加熱された空気が山頂を越えてふもとに吹き降りるので,山の反対側のふもとでは乾燥した熱風が吹き荒れるということになります。

 理科の授業でフェーン現象を説明するときは,いつも最高気温記録の話をしていました。数年前までは,日本の最高気温記録の第1位が山形市(40.8℃;1933.7.25),第3位が酒田市(40.1℃;1978.8.3)で,ベスト3のうち2つが東北地方,しかも山形県内だったんですね。奥羽山脈にあたった太平洋高気圧からの南風が,山形県内に乾いた熱い空気となって吹き降りる…フェーン現象というカラクリが,緯度の高い東北地方に最高気温記録をもたらすというわけです。

 酒田の記録が出た1978年当時,私は小学6年生でしたが,その時の記憶はかなり鮮明です。居間の寒暖計は42℃を越え,扇風機を回してみても熱風が吹いてくるだけで余計暑苦しい。どうすることもできずに母に助けを求めたら,「風呂で水でも浴びたら」と言われ,ワラにもすがる思いで風呂の蛇口にホースをつなげて頭から水をかぶっていました。

 残念ながらこの山形の記録も今年の猛暑で第3位に後退し,酒田の記録も10位圏内からこぼれ落ちてしまいました。授業のネタとしてはパッとしないものになってしまいましたね。それにしても驚くのは,この暑さで,しかもお盆の最中に部活をしていることです。部活中に生徒が熱中症で死亡する事故が何件も起きていますが,学校の責任を追及する報道はほとんどありませんね。どうしたことでしょう。なぜ「こんな暑い日に部活はやめよう」と言えないんでしょう。

8月14日(火) 夏休み短縮という発想


IMG_0108_2.jpgこの時期,毎年戦争について考えたくなります。先日から読み始めた本が城山三郎の『硫黄島に死す』,そして普段は見ないテレビでも『鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争』を見ました。玉砕とか特攻など,およそ作戦とは言えないような戦い方で命を無駄にした当時の日本は,集団ヒステリーとしか言いようがないですね。

 日本人は集団ヒステリーになりやすい民族なのでしょうか。学力低下とか教育再生などと騒ぐ人たちを見ていると,やはり集団ヒステリーではないかと思います。学力低下を防ぐために授業を増やそう。そのためには夏休みを削ろうなどと…。発想が貧困すぎて,とても付き合いきれません。

 ヒステリーを起こしている人に何を言っても無駄だとは思いますが,学力というものは個人個人が自分の力で伸ばしていくものです。授業時間を増やせば学力が伸びるというのは,教育を一方的な教え込み(洗脳)の場としかとらえることのできない人の発想です。言われたことを言われたようにやる人間,言われなければ何もやらない人間を育てるやり方です。そういう従順で無指向な人は,戦争をしたい人には便利な人たちですね。高度経済成長もそういう人たちが支えていたのかもしれませんが,価値観が多様化し,急激にグローバル化が進む21世紀の教育としてはどうなんでしょう。人口が減少しつつある日本ですから,一人一人が主体的に考え,社会参加する力を育てていかないと,日本全体が斜陽民族になっていくのではないでしょうか。

 主体的で自律的な人間を育てていこうと思ったときに,夏休みは欠かせない教育の場なんです。夏休みは,生徒が主体的に,かつ自由に過ごすことができる限られた時間だからです。夏休みに宿泊をともなうリーダー研修を二つ指導して生徒たちの変容を直に見ていると,普段の学校生活や授業では体験できない学びがここにあるということがはっきり分かります。研修に「自主的」に参加して,そこで「主体的」に活動する中で,自分が成長したという実感を得る。主体的で自律的な人間になるためには,必要な体験ではないですか?

 ところが,高校生の夏休みは現実にはもうどんどん短くなっています。7月から8月はじめまで課外授業をしている学校は多いですし,そこで「授業」をしている学校もあります(課外ではなく正課の授業)。お盆明けから課外授業が再開する学校まであります。自由で自主的な時間を奪い,一方的な教え込みの時間に代えていく。学習指導要領の『自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむ』などという言葉は完全にお題目でしかない。そういう状態ですから,夏休みに自主的に研修をしようという生徒も少なくなってきました。青少年赤十字リーダーシップトレーニングセンターも,以前は60名近い参加者がいたものですが,ここ数年は大幅に参加者が減り,今年はたった16名でした。夏休みならではの自主的な学びの場は,衰退の一途です。

 それを追認・助長しようというのが教育ナントカ会議の人たちです。生徒の自主性・主体性をお題目ではなく本気で育てたいと思っている私にとっては,つまらない教育現場になりつつあります。百歩譲って,夏休みを短縮して授業をすることで,私たちが行っている宿泊研修を越えるような学びの場をつくれるというなら,ぜひそういう実践を見てみたいものです。絶対無理だと思いますが。;-P

8月13日(月) 青少年赤十字リーダーシップトレーニングセンター


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 昨日まで泉が岳自然の家で「青少年赤十字(JRC)リーダーシップトレーニングセンター」をやってきました。6つの高校から16名の生徒たちが2泊3日の研修に参加しました。

 研修内容は,赤十字についての講義やビデオ学習,MAPのアクティビティを用いたグループワーク,救急法(今年は止血と三角巾での包帯法),フィールドワーク(赤十字の関門を突破しながらのオリエンテーリング),ワークショップ(グループごとにJRC活動の計画を立案する)など盛りだくさんです。生徒たちは毎日夜8時半までびっちり埋まった研修に意欲的に参加していました。

 1日目に不安な表情で参加してきた生徒たちでしたが,最終日の閉講式のあとは,互いにメールアドレスの交換をしたり尽きない話を続けたりと,バス時間が迫ってもいつまでも帰りたくないといった様子で別れを惜しんでいました。赤十字活動に積極的に参加するという同じ志をもつ他校生とのつながり,これからも大切にしてほしいです。

 今回,私が最も印象に残ったのは,閉講式の感想発表で一人の生徒が言った言葉です。MAPの活動の中でピンボールというアクティビティを行いました。みんなで輪になり,真ん中にスポットマーカーを置いてそれを穴に見立てます。誰か一人がその穴に向かって落ち込んでいく(歩いていく)のですが,その人が穴に落ちる前に名前を呼んであげると,呼んだ人の場所まで戻ってくることができます。しかし,今度は呼んだ人が穴に向かって落ち込んでいきます。そうすると次にまた誰かが呼んであげる…。という,名前を呼ぶだけの比較的単純で終わりのない活動です。活動のねらいは,みんなの名前を覚えるということと不安を乗り越える体験(呼ぶということ)でした。研修1日目に行ったこのアクティビティについて,ある生徒が閉講式でこんなことを言ったのです。

 あの活動でみんな思っていたのは「自分が呼ばなくても誰かが呼ぶだろう」ということではなかったかと思う。その「誰かが呼ぶだろう」という気持ちを押して自分が名前を呼んであげるとき,自分の中に「ふんぎる力」を感じた。(研修生の感想より)

 「ふんぎる」という行動は,青少年赤十字において奨励される行動のひとつです。「自分がやらなくても誰かがやるだろう」という気持ちは誰もが感じるものです。しかし,赤十字の精神に基づいて人のために行動するとき,「誰かがやるだろう」という他人任せな気持ちがあっては何もできません。「自分がやる」という踏ん切りが必要なのです。

 ピンボールを行ったときに,特にその意味について説明しませんでしたし,振り返りで学びの共有も行っていません。それでも生徒たちは,このアクティビティから大切なことを学んでいたんですね。やはり,赤十字の活動を日々経験して意識を高く持っている生徒たちは,一つ一つの体験から自分の力で学んでいけるんだと納得しました。生徒の持っている力はすごいです。

 そういえば,今年の研修には3人の先輩たちが応援に訪れてくれました。6年ほど前に泉が岳自然の家でこの青少年赤十字の研修を受けた先輩です。現在は東京で大学院生として生涯教育を学んでいたり,アメリカの大学でコミュニケーションを学んだり,それぞれの道を進んでいますが,その先輩たちが泉が岳での研修を懐かしがって,見知らぬ後輩の応援に駆けつけてくれるのです。この研修会が生徒たちに与える影響の大きさを,そんなことからも感じることができました。

8月9日(木) 仙台七夕


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 仙台に住んでいながらほとんど行ったことのない仙台七夕。今年はこどもたちが行きたいというので,認定講習が終わった後に,星の宵まつりの時間に合わせて一番町に出かけました。吹き流しの下を歩き,かき氷を食べ,焼きそばと鶏の唐揚げを食べました。星の宵まつりでは,消防団のはしご乗り,仙台89ersのチアリーディングなど多彩なパフォーマンスが行われていて,以前の静かな七夕とはちょっと違ったイメージで良かったです。やはりお祭りは騒がしいほうが楽しいですね。こどもたちも思ったより喜んでました。

 勾当台公園では Date fm の野外ライブが行われていて,私の応援しているジュジュも出演しましたが,出演時間が13:50からということで,残念ながら私は認定講習の受講中でした。

ジュジュ×MUSIC IS MY LIFE

8月9日(木) 合格者水増しはワルいこと?


河北春秋(2007年08月09日木曜日)

 私立高校が一人に何十もの大学の入試を受験させ,合格者数を水増ししていたことに批判が高まったいます。この問題が最初に「発覚」した高校では,校長と理事長が引責辞任したとか。

 「みんなが正義漢となってワルいものを寄ってたかってやっつけるの図」がまた出たというのが私の感想。批判する前に我が身を振り返ったらいいんじゃないでしょうか。マスコミは,延べ人数の報道では意味がないということが分かったわけで,実人数を知る努力を今まで怠ってきたことを反省すればいい。合格者の水増しにだまされた入学したという生徒や保護者は,そんな他人の学力に頼って自分の入る学校を決めてしまった自分を反省すればいいのです。

 本当はみんな自分が反省すべきなのに,それを他に転嫁してモンクを言う。合格者水増しなんて,そもそも大した問題じゃないはずです。みんなが我が身を振り返って,だまされてバカだったなと3秒くらい思えば済む話です。それが校長や理事長の辞任につながる。ホラー映画より怖いですねー。

 「みんなが正義漢となってワルいものを寄ってたかってやっつけるの図」というのは,簡単に言えばいじめの構図ですよ。大人がこれですから。学校でのいじめがなくならないのが,教師のせい(だけ)ではないことは明白です。

8月8日(水) 仙台市における人権…表現・集会の自由


許可取り消しの執行停止支持=北朝鮮系歌劇団の会館使用−仙台高裁

 在日朝鮮人でつくる金剛山歌劇団が,仙台市民会館の利用申請をしたところ不許可になったというニュースのその後です。昨日,仙台高裁が許可取り消し処分は不当であるとして,仙台市側の訴えを棄却しました。

 会館が使用できずに公演中止となれば、憲法上保障された集会の自由が侵害されるという判断です。妥当な線が出てきて良かったと思いますが,こんなことを裁判で争う仙台市に不安を感じます。男女共同参画推進審議会委員の人選に市民がモンクを言うのは「言論の自由の破壊」で「民主主義の破壊」だという考えの方が仙台市長をやっているということと,関係が深いような気がします。仙台市民であることに誇りを感じにくい今日この頃です。

金剛山歌劇団と仙台市、論争が泥沼化


8月7日(火) 夏


 昨日の午後は雷鳴がとどろき,夕方に激しい土砂降り。雨上がりの道路からは湯気が上がっていました。雨が蒸発するときに道路から気化熱を奪ったおかげでしょう。昨晩は部屋に涼しい風が入って久しぶりにぐっすり眠りました。

 天気図を見ても,太平洋上の高気圧がしっかり張り出して,南高北低の夏らしい気圧配置になりました。全国的に猛暑が続いていますが,あまり気温が高くならない仙台も昨日まで5日連続真夏日で,今日も真夏日となる予報です。

 この暑さの中,私は冷房の効かない大学の教室で,特別支援学校教諭免許状を取得するための講義を受けています。ただ座って話を聴くのってこんなにタイヘンなんだっけ…という状態。毎日学校に通うこどもたちはよく怒り出さないで授業を受けるものですね…。いや,講義の内容はなかなか面白いですよ…(念のため)。ちなみに昨日は発達障害と虐待の話でした。今日はADHDです。

8月6日(月) 中高生リーダー研修会(2)失敗から学ぶ


IMG_0105.jpg 成功体験が大切…学校でよく聞く言葉です。

 確かにそうなんだけど,それだけではダメですよね。自分の成長を振り返って,成功から学んだことと,失敗や挫折から学んだことはどちらが多いか…物事が上手くいかない体験から,私たちは多くを学んでいるのではないでしょうか。今の学校に足りないことのひとつは,失敗体験をさせること,そこから学びを引き出すことではないかと思います。

 今回の中高生リーダー研修会では,何十種類もの活動にチャレンジしましたが,その中で生徒たちが最も印象に残った活動としてあげた活動がマシュマロリバーでした。この活動は,数ある活動の中で唯一課題をクリアできなかった,つまり「失敗」した活動なのです。

 マシュマロリバーは,人が触れている限り流れていかない魔法の飛び石を使って,全員で川を渡るという活動です。19人のグループに与えられた飛び石は15個。しかも,それぞれの飛び石は10人の利用にしか耐えられません(でも一度渡りきればそのカウントはリセットされる)。誰も踏んだり触れたりしていない飛び石があると,すぐに急流に流されてしまいます。飛び石ではないところに足や手をついたら,やはり流されてしまいます。一人でも流されたら全員が最初の岸に戻らなければなりません。

 最初に与えられた活動時間は,話し合いとチャレンジを含めて20分でした。10人と9人の2つのグループに分かれてチャレンジするというところまではすんなりと決まりましたが,具体的な渡り方の話し合いがなかなかまとまりません。一度もチャレンジしないうちに制限時間になってしまいました。生徒の希望を受けて時間を10分延長し,残り時間で片方のグループが何度かチャレンジしましたが,そのたびに飛び石やメンバーが流されて振り出しに戻ります。結局延長した時間も終わり,成功しないまま活動の振り返りに入りました。

 振り返りでは,「一体感がどうだったか」という視点を与えた上で,チャレンジしたグループの気持ちと,チャレンジを見守ったグループの気持ち,その時に聞こえていた声について話し合いました。

  • 話だけで想像していたことより,実際にやってみるととても難しかった。
  • 見ている人からのアドバイスは,あまり効果的ではなかった。
  • 見ているだけではちょっとつまらなかった。

ファシリテーターから指摘したことは,

  • 仲間が失敗して川に流されたときの,見ている側からの「あ〜あ」という声。その声がつくる雰囲気とは?

その結果,この活動から生徒が学んだことは,

  • ただ話し合いを続けるよりも,早めにやってみることが必要だ。
  • 実際に体験しないと分からないことがある→体験を共有する必要がある。
  • 一体感を高めるためには,チャレンジしていない人の関わり方が大切。

というようなことでした。この3つの学びは,その後のチームの活動に大きな影響を与えましたし,リーダーとして各学校に帰ったときにもそのまま生かせる学びですよね。

 今回の参加者を見ていると,失敗を必要以上に回避したがる雰囲気がありました。1回で成功させようと思えば思うほど,実際の行動に踏み出せずに話し合いだけが続いてしまうのです。しかし,そのような生徒たちでも,このように失敗から貴重な学びを引き出すことができます。学校で私たちが成功体験にこだわるのはなぜでしょう。失敗させないように先回りして支援するのはなぜでしょう。もしかしたらその支援が,生徒の成長を妨げているのかもしれませんね。

 最後に,今回の参加メンバーの中には仙台二高の文化祭のスタッフが5名いました。彼らのサイトをリンクします。お近くの方,仙台二高の文化祭に行ってみませんか?

宮城県仙台第二高等学校 北陵祭実行委員会・通称『北実』のHP

8月5日(日) こんな世界旅行,楽しそう!


 YouTubeから気に入った動画を紹介します。シアトルに住むマットが,仕事を辞めて「貯金を使い果たすまで旅をしよう」と世界旅行に出かけ,行く先々で撮影したビデオです。動画の中で彼がずっと踊っているんですが,いいですね〜こういうの。



8月4日(土) 中高生リーダー研修会(1)


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 火曜日から金曜日まで,松島自然の家で行われた「中高生リーダー研修会」に,ファシリテーターの一人として参加してきました。生徒会や文化祭,部活のリーダー19名の生徒たちが,寝る時間以外はほとんど活動というハードスケジュールの2泊3日をやり遂げました。笑顔,涙,一体感,気持ちのずれ…いろんな出来事がありました。いろんな気持ちになりました。私自身,一夜明けた今でも,それらのことをまだ整理できていません。ボーッとしています。

8月4日(土) 地震は原発に「貴重な実験」発言


 言葉に誤解,曲解はつきものです。

 言葉にはそもそもある程度の曖昧さがあります。例えば「青」という言葉を考えてみてください。「青」と言われて想像する色は,海の青さかもしれないし,空の青かもしれないし,交差点の青信号かもしれない。言葉の受け手の経験や好み,その時に置かれている状況によって,同じ言葉でも受け取り方は違います。

 言葉を発した側はある色を想像して「青」と言うわけですが,受け手がどんな青を想像するかは言った側には分からない。分からないのに,自分と同じ青を想像していると思ってしまうから,誤解というものが生まれます。また,言葉の曖昧さを悪用すると「曲解」ということになります。言葉を発する者がどのように注意しても,それを受ける側の状況によって意味は変わっていくということです。

 ですから,その互いの理解の溝を埋めようとする努力があって,はじめてコミュニケーションは成り立つわけです。その意味で,「中越沖地震は原発にとって貴重な実験だった」と発言して,原子力発電の安全管理に関する委員会の座長が辞任したというニュースは,私を暗い気持ちにさせます。ワン・フレーズで責任を取らせていく今の日本の風潮は,コミュニケーション不全としか表現できません。

「どうしてそんなことを言うの?」
「それは……という意味だ」
「私はあなたの言葉でこういう気持ちになった」
「それは申し訳なかった」

こんなやりとりすらできないんですからね。

 座長の発言は,理系の人間ならある程度理解できるのではないでしょうか。地震に対する建築物の安全性は,理論的な検討やシミュレーション実験などである程度確証があるわけですが,それでも本当に地震が起こってみないと実際のところは分かりません(理論は自然現象のすべてを説明できているわけではありません)。最終的な実験は,実際に地震を起こす(体験する)ことでしかできないのです。

 失言をして辞めるというような話が昨今多いですが,本当に職を辞するほど根本的な問題なのかどうか。「一部の委員を審議会に採用すべきでないというのは、言論の自由、民主主義の破壊。まったく理解に苦しむ」などと言って主権在民を明確に否定する仙台市長の方が,私には重大な問題のような気がしますが,こちらのほうはまったく批判も辞任要求もないですね。

地震は原発に「貴重な実験」 発言の技術委座長が辞任