お茶碗プロジェクト会場を巡る
神戸のひまわりおじさん
被災した方に無料でお茶碗を配布する「お茶碗プロジェクト」が行われた,栗駒の「みちのく風土館」と花山の「湖畔の里」(高齢者生活福祉センター)にお邪魔しました。
「お茶碗プロジェクト」に取り組んでいる神戸のひまわりおじさんこと荒井さんは,阪神淡路大震災の経験者です。夜には荒井さんのこれまでの実践(阪神淡路大震災,中越地震,中越沖地震,そして今回)をうかがい,たいへん感銘を受けました。
神戸のひまわりおじさんこと荒井勣さんは,阪神淡路大震災の被災者である。被災者でありながら,震災後は給水ボランティアやお風呂の出前ボランティアを行った。同時に,震災前のボランティア活動のツテをたどってひまわりの種を集め,がれきの街にたくさんのひまわりを咲かせた。
中越地震の時は,被災地に茶碗を送ろうと全国に呼びかけて1200箱の茶碗を集め,自分でトラックを運転して中越にお茶碗を届けた。
中越沖地震でも,お茶碗を届けた。柏崎総合高校の協力で,高校の体育館を集積場所にし,高校生が茶碗の仕分け作業を手伝ってくれた(この高校は後にボランティア活動で表彰された)。
そして今回,岩手・宮城内陸地震の被災地でも,お茶碗プロジェクトに取り組んでいる。
ツアーでは,1日目に栗駒の「みちのく風土館」で開催されたプロジェクトの様子と,2日目に花山の「湖畔の里」で行われたプロジェクトを見学した。
どちらも配布が始まると次々飛ぶようにもらわれていき,1時間ほどでほとんどすべての食器がなくなった。社協の皆さんのテキパキとした働きぶりと,茶碗を手に取りながら談笑する被災者の皆さんの笑顔が印象的だった。荒井さんは,その様子を見ながら,みんなにコーヒーを振る舞っていた。
今回,全国から届けられる茶碗の集積場所は,くりこま高原自然学校が提供した。荒井さんは,中越沖地震の経験から,まずいくつかの高校に協力を打診したが,どの高校も協力を断った。
その話を聞いて,私も高校の教員の端くれとして,とてももったいないことだったと感じた。災害が起こったとき,高校生には地域復興の重要な働き手として,活躍してほしい。その経験が,その後の生徒の人生に大きな影響を与え,また,現在の学習へのモチベーションを高めるはずなのに。教科書や黒板を見てるだけでは得られない学びが,そこにあったはずなのに。
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