荒砥沢ダム

震災(復興応援)エコツアー (宮城県栗原市)

岩手・宮城内陸地震の爪痕を巡る

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更新日 2008-11-24 | 作成日 2008-08-03

地盤災害の現場に立つ 

荒砥沢ダム 

 道路わきの山塊がブロック状に地滑りを起こした場所や,荒砥沢ダム付近の地滑り現場に立ちました。歩いていくと道路が突然なくなり、むき出しの岩だけの世界が現れます。まるで噴火口の中に身を置いたよう。あるいは他の惑星? 映画のセット?
 また,ダム近くの山武温泉さくらの湯の大場社長の話を聞きました。大場社長は,荒砥沢ダムの崩壊を自分の目で見た方です。

 
DSCF6373.jpg 目の前に広がる光景に現実感が持てない。ほんの10日前には,ここに満々と水をたたえたダムがあったと言われても,とても信じられない風景が広がっていた。
 
 むき出しの岩塊,岩とともに移動し,いろんな方向に傾いたり倒れている木々。ところどころに道路だったと思われる,アスファルトの破片。
 
DSCF6386.jpg 地震後1週間ほどは生きものの気配がなくなり,とても静かだったという。私たちが訪れた日は,鳥のさえずりがよく聞こえていた。崖を見ると,ところどころに震災後に芽吹いたと思われる植物が生えていて,自然の破壊力とともに,生命の力を感じることができた。

DSCF6381.jpg 岩の新しい部分を砕いてみると,パミス(軽石)をたくさん含んだ柔らかい火山灰層。手で簡単に崩せるほど柔らかい。
 
 木の枝に付着した泥の高さは人の背丈以上で,泥のついた方向は,土砂が移動してきた方向を物語る。湖から跳ね上がってきたのではなく,山から崩れてきた土砂が直接木に当たっているようだ。
 
DSCF6405.jpg ダムに至る道は,ダム直前まで震災の兆候を感じさせない。ところが,最後のカーブを曲がったとたん,アスファルトがずたずたに壊れ,4〜5mもあろうかという地割れが現れる。


DSCF6372.jpg この地割れは,岩石のブロックが地滑りを起こしたものである。この辺は前から道路に水がしみ出していたとのことで,地下の水脈沿いにすべり面が形成されていたのだろうか。
 


次は…

山武温泉さくらの湯の大場社長に話を聞く

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このサイトについて 

 
 2008年7月20日〜21日にかけて,岩手・宮城内陸地震の被災地を巡る「震災エコツアー」(復興応援エコツアー)が行われました。そのツアーに参加した一人として,このツアーで学んだことをウェブにまとめてみることにしました。

 このサイトをつくったのは,宮城県の山口裕之(Sphinx)です。