■ 研 修 会: | 第15回全国都道府県PTA連合会代表者連絡協議会 |
■ 日 時: | 2014年11月30日(日) 9:20〜11:50 |
■ 内 容: | 防災教育の日常化 |
■ 講 師: | 山口裕之(宮城県立光明支援学校・教諭) |
■【6】から続く
最後は,PTAの枠組みでどんなことをしているか,できるかという話でまとめていきたいと思います。うちの学校のPTAでやっていることを紹介します。
これは家庭からリュックに入れて持ってきてもらっている個人の備蓄です。3食分の水と食料,それに安心グッズなどを入れてもらっています。学校全体の備蓄食もありますが,家庭に用意してもらうと一人一人の食べ物の好みや食形態に合わせて入れてもらえるので安心です。備蓄リュックの依頼文書は,校長とPTA会長の連名で出しています。文書を作ってくれるのはPTAの庶務のお母さんです。
災害が起こって生徒が学校に待機することになったら,給食指導部の先生たちが食事を準備することになっています。それで,夏休みに備蓄食料の出食訓練をしました。PTA役員さんにも声をかけたら,子連れでたくさん参加してくれました。
つくった備蓄食を役員さんだけでなく子どもたちにも試食してもらったのですが,自閉症の子どもたちはパンしか食べようとしなかったんです。これにはみんな衝撃を受けまして,最後に保護者の方に感想を聞いたときに「うちの備蓄を考え直さないと…」とおっしゃっていました。
本校では,PTAの予算でかなりの備蓄食料を購入しています。今年も予算をつけていただき,ここにあるものを購入しました。うちの学校にはペースト状にしたものしか食べられない生徒がいます。夏休みの出食訓練の時に,非常食を手作業でペーストにしてみたんですが,これがとても大変で,災害時にこんなことしてられないと…。なので今年はペースト状になった非常食を最優先で買うことにしました。また,今までアレルギー対応の非常食を準備していなかったので,今年100食ほど準備しました。学校の予算がとても厳しいので,PTAで予算をつけていただくのは大変助かっています。
今年度,PTAの枠組みでうちの学校用のヘルプカードや緊急時サポートブックを作ろうということで,PTA役員さんにがんばってもらっています。来年度のPTA総会でお披露目できるといいなと思っているところです。
PTAの枠組みで今後やってみたいことを並べてみました。
うちの学校では,秋にPTA主催のお祭りがあります。これに防災を絡めていけないかなと思っています。このアイディアは,すでに千葉県東金特別支援学校では実現しています。東金特別支援学校では,防災をテーマとした地域交流を年にいくつも仕掛けていまして,地域の子どもたちやおじいさん・おばあさんたちを巻き込んで楽しい行事をしているんですよね。
備蓄食料試食会というのは,震災後に大量購入した備蓄食料が5年保存ということで再来年度に一気に期限切れを迎えます。せっかくなのでそれを利用したいと考えています。防災学習に使ったり,あるいはPTA総会や授業参観で出食してみるとかいくつかアイディアがあるのですが,ここでPTAの力を貸していただけるとうれしいですね。
防災講演会というのは,今年度,仙台管区気象台から講師を招いて気象災害の研修をしたんです。教員向けでしたが講師派遣の予算はPTAから支出していただきました。やったあと気づいたのですが,こういう教師向け研修会に保護者の皆さんもご招待すれば良かったと。または,PTA総会で保護者向けの防災講演会なんかもやれるといいかなと思います。
最後に,保護者の視点を取り入れることについて。PTAの役員会に出て備蓄の話などをしていると,保護者の皆さんから私にはないアイディアがどんどん出てくるんですよね。あ〜そういう視点足りなかったなと思わされることも多いです。なので,学校安全計画やマニュアルも,保護者の皆様の視点で見ていただくという機会をこれからつくって行きたいなと思います。
以上,PTAの枠組みということで考えてみました。
長々とお話しましたが,これで終わりです。今日のこのプレゼン資料は,こちらのブログにリンクを張っておきますので,ご覧になりたい方は「Sphinxのひとこと」で検索して探してください。また,1ヶ月ぐらいの間には,防災主任の学習室に,しゃべり原稿も含めてアップロードしたいと思っています。来年になって覚えていたら,このページも探してみてください。
以上です。どうもありがとうございました。