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 防災管理の実際

■ 研 修 会:平成24年度 新任防災主任研修会(共通研修2)
■ 日   時:2012年 7月12日(木) 13:10〜14:15
■ 内   容:防災管理等の実際
■ 講   師:山口裕之(宮城県立光明支援学校・教諭)

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使えるマニュアルとは

kanri43-003さて,学校がつくる危機管理マニュアルには,今,述べてきた「事前の危機管理」だけでなく,「発生時の危機管理」,「事後の危機管理」も入ってきます。先日は,宮城県教育委員会からも「学校防災マニュアル(例)暫定版」が発表されました。このマニュアル例と文科省の「手引き」を使って,私たちは,学校の危機管理マニュアルを,よりよいものに改訂していく役目を負っています。

kanri44-005そこで,一つのアンケート調査を紹介します。といっても正式な調査ではなく,私がFacebookでお付き合いしている先生がたに行ったアンケートです。質問は「東日本大震災のときに自分の学校のマニュアルを使いましたか?」というものです。その結果,「何度も使った」という人は0,「何度か使った」が1人,そして「まったく使わなかった」が12人。その中の一人が私です…。

kanri45-0033・11の時にあったマニュアルは,どうして使えなかったんでしょうか。使えるマニュアルとは,どんなマニュアルでしょうか。ある小学校の防災主任をしている先生が,こんなことを言っていました(→スライド)。いかがでしょうか。こんなマニュアルができたら,使えそうですよね。危機管理マニュアルは,家電製品のマニュアルと決定的に違うことが一つあります。それは,一番必要な時に開いて見てる暇がないということ。ということは,「覚えられ」というのが決定的に重要だということです。災害発生時の対応が覚えられないマニュアルでは,使い物にならないのです。

kanri46-002覚えられるマニュアルにするには,文章が長々と書かれているようでは困ります。簡潔で具体的である必要があります。また,災害時には,それぞれの教職員がいろんな役割で動きます。それを全部マニュアルのページに表現したら,覚えられないマニュアルの出来上がりです。したがって,マニュアルには幹だけを表現し,自分に関連すること(枝葉は)を自分で書き入れる(=自分化)。そういうマニュアルのつくり方も悪くないと思います。

【資料】危機管理マニュアルの目次例

これは,うちの学校と,ある小学校の危機管理マニュアルの目次です。2つを比べてみると,まったく違う目次になっているのが分かります。これが正解というのはないと思いますが,防災主任の横のつながりで,互いの学校の目次を共有してみたらどうでしょう?

教職研修7月号

kanri47-001皆さん,教職研修という雑誌はご存じでしょうか。この最新号の特集が,「生き抜く力」を鍛える避難訓練というものです。先生方の学校にもあるかもしれませんので,ぜひ見つけて読んでみてください。学校になければアマゾンでも購入できるみたいです。特集以外のページにも,防災や安全に関するいろいろな情報が載っていました。

ということで,以上で今日のお話は一応終わりなのですが…。

kanri49-001最後に,東日本大震災のときの学校の状況を知ることができる資料を4つ紹介します。

災害のとき学校がどうなるのかがイメージできると,どんな準備をすればいいか,どんな教育が必要かが分かります。十人十色というか,それぞれの学校の体験を読むと,それぞれ学ぶことがあります。ぜひ一読されることをお勧めします。

最後に,私が個人的につくっているホームページとFacebookページを紹介します。防災主任の学習室はホームページです。防災主任の喫茶室はFacebookページです。学習室はオープンになっていて誰でも見ることができますが,喫茶室のほうは登録制です。

防災主任や防災主幹教諭は,各学校に一人だけです。しかも,仕事に前例がある訳でもなく,防災主任の仕事は私たちがつくっていくということになっています。頼れるのは,この場にいる防災主任としての仲間と,支援してくれる方々だけ。避難訓練をこんなふうに工夫してみたとか,防災だよりでこんなことを書いたなど,いろいろな情報や教材を共有して,互いに学び合いながら防災主任という仕事を創造して行けたら楽しいなと思っています。防災主任の学習室や喫茶室が,その場のひとつとなることを期待しています。皆さん,つながりましょう!

以上で,私の話を終わります。ありがとうございました。


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