はなわくんは,やや自閉的な傾向があるといわれている多動な生徒で,発語がなく重度の知的障害があります。絵や写真にすごくこだわって,そういうときはすごい集中力を発揮します。意思表示はジェスチャーで行いますが,主に「うれしい」「やったー」などの感情の表出にとどまります。
彼のウエストポーチには3枚のカードが入っています。彼の場合も,まず絵カードの意味と使い方を教えるところからはじめました。保護者と相談して本人のニーズの高い「トランプ」と「音の出る絵本」を使うことにしました。「トランプ」と「音の出る絵本」を鍵のかかる棚に見えるように置いておき,絵カードを使って要求したときにそれを取ってあげるということにしました。絵カードを導入したその日のうちに,自分から絵カードで要求して驚かされました。
最初は絵カードを,棚のわきに付けて置いたのですが,慣れてきたところでウエストポーチに入れるようにして,さらに「手伝ってください」カードを導入しまして,主に給食のときの介助を要求する学習をしました。これもすぐに使えるようになりました。
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