アギトくんは中学部の自閉症の生徒。言葉の発音は不明瞭で,教師の言葉を繰り返すことはできるが自分から話すことはありません。以前はよく指導中に,指を噛んで教師にせまっていく行動が見られました。
のび太くんの場合,システム手帳1ページに8つの絵カードを入れ込みましたが,アギトくんの場合,最初からそれをするのはちょっと難しいと判断し,写真用ミニアルバム1ページに1つの絵カードということにしました。
アギトくんはそれまで絵カードを使って会話をしたことがなかったので,まずは絵カードの使い方を「こちょこちょして」カードで指導しました(彼はこちょこちょが大好き)。そのカードを使いこなせるようになったら,それを写真用のミニアルバムに入れて,絵カードの種類もだんだん増やしていきました。家庭向けにはお母さんが希望する「おかえりなさい」のカードを作って,絵カードを見ながら言わせるようにもしました。
そうして指導した結果,次のような成果が得られました。
- 絵カードを使って,担任だけでなくいろんな教師に話しかけるようになった。
- 絵を小さくして1ページに4つ入れても使えるようになった。
- 指かみもほとんどなくなった。
- 家庭でもお母さんが「家庭用ブック」をつくってくれた
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