MAP研究会は,(財)カメイ社会教育振興財団と
宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。
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まずはウォームアップから。スタートの人から自分の名前に適当なストレッチの動作をつけます。そうしたら,その人の名前を呼びながらみんなでストレッチをします。次に隣の人が自分の名前に別のストレッチの動作をつけます。そしてみんなでストレッチ。みんなでやるときは,必ずスタートの人のストレッチから順番にしてきます。
以下同様…。けっこう時間がかかるので,このやり方では10名程度が限界のようです。
次もウォームアップ(&アイスブレーキング)。昨晩の座学で学んだ王様と海賊をやってみました。まず活動エリアをつくって,王様を1名決めます。その他のメンバーは海賊です。王様はスポンジボールを1つ持っています。それを海賊にぶつけると,海賊は王様の家族になってしまいます。自分の国をぜんぶ自分の家族にするために王様は海賊と戦います。
家族が一人もいないときは,王様はスポンジボールを持って移動できますが,家族が一人でもできるとボールを持ったまま移動できなくなります。したがってパスだけで家族を増やしていきます。家族も海賊にボールをぶつけることができます。
途中で,誰が家族で誰が海賊か分からなくなったときは,王様か家族が「王様チェック!」と言います。そうすると王様と家族は優雅に右手を小さく振り,海賊は少しかがんで右腕を顔の前に出し,物陰に隠れた状態になります。3秒ぐらいその状態が続き,またゲームが始まります。全員家族になったら終了です。スポンジボールを二つにすると,よりスリリングになります。これは楽しくてけっこう盛り上がりました。
次はイニシアティブです。全員がやっと乗れる程度の台(=島)が3つと,長短の2枚の板があります。板は長い方でも次の島に微妙に届かない長さです。島のまわりは「毒の底なし沼」。スタート地点の島に全員乗った状態からはじめて,2枚の板を上手につかって3つ目の島へ全員が脱出します。人はもちろん,2枚の板も毒の底なし沼についてはいけません。板が沼に落ちたら全員再スタート,人が落ちたら落ちた人がスタート地点へ戻るというルールにしました。
ファシリテーターから次のような安全上の注意点が伝えられました。
ディブリーフィングでは,昨日,別の団体が自分たちがやったのと違うやり方でやっていたことを思い出して,その方法でもやってみました。そうしたら,その方法のほうがずっとに安全に移動できました。また,ファンタジーをどこまで真剣にとらえるかという話題が出ました。今回はスタート前にリハーサルをやってみて,そのときはみんな「毒の底なし沼」の上に立っていたのです。だけど,真剣にやるならそういうリハーサルはできないということになります。ファシリテーターが指示を出すタイミングをずらして,全員が一つ目の島に乗った状態で指示を出すと,より緊迫感が増してファンタジーが生きてくるかもしれないという意見が出ました。
上から見ると「>」の形に張られたワイヤーの上を,二人で協力して移動していくアクティビティです。最終地点のワイヤーの間隔は4.5mほどあるので,その手前で必ず倒れてしまいます。限界に挑戦!というかんじですが,手の合わせ方,腰の入れ方など工夫すると思ったより進むことができました。
ファシリテーターからつぎのような安全上の注意点が伝えられました。
空中のタイヤを,できるだけ早く抜けて向こうに行くというイニシアティブです。安全上の注意は「背中側を重点的にスポッティングすること」と「頭から落ちないように注意すること」の2点。話し合ってくぐり方や順番を確認したあと挑戦。1回目は2分40秒でした。
その後の作戦会議で,くぐるときの支え方を簡略化し,順番と役割を前回よりも細かく決めました。そこで目標設定を2分としたのですが,ファシリテーターに「もっといけるんじゃないの」と言われて1分30秒に修正しました。目標値のプレッシャーを感じつつ2回目に挑戦。2回目はなんとたったの53秒でできました。
その後のディブリーフィングでは,「何がよかったか?」,「まだ行ける?」という問いかけがファシリテーターから出されました。もっと縮められそうな気がしましたが,時間がもったいないので次のアクティビティに移行することにしました。
2本の支柱の間に高く張られたワイヤーから,4本のブランコがぶら下がっています。こちらの島からみんなで協力してブランコを渡っていき,向こうの島に着くというアクティビティ(ローエレメント)です。ブランコは左右だけでなく上下にも揺れて乗ってるだけで楽しいのですが,自分で漕いでもほとんど振幅は変わりません。隣のブランコに行くには仲間との協力が必要です。握力を使うけっこうハードなゲームでした。
2回目の挑戦では,3本目のブランコを撤去して,3本のブランコだけで挑戦しました。チャレンジ・バイ・チョイスで自分の体の疲れと相談して参加者を決めました。かなり苦労しましたが,中国雑伎団のような華麗な技でなんとか全員渡ることができました。
普通,ファシリテーターはディブリーフィングを活発にするためにいろいろ手だてを講じるわけですが,私たちの場合,しゃべりたい人があとをたたず,話題は事欠きません。ディブリーフィングが脱線することもしばしば。ファシリテーターのおいしょさんの役目は,脱線を修正し,ディブリーフィングを適当に切り上げることでした。こんなグループはめずらしいんでしょうね〜。 |
午後の活動では,ウォームアップをかねて,はじめにディインヒビタイザーを二つやりました。その後,ついにトラスト・アクティビティに突入です。
円陣になって,隣の人とふれあうぐらいまで互いに近づきます。それで,次のように歌いながら(歌というよりはラップですね),踊ります。
これを繰り返してだんだん早くしていきます。最後には目が回ってしまいます。
バリエーションとして,「アハーヒー」のかわりに「アラーメン」と言いながら,右の人の背中をなでるようにして拝むというバージョンもあります。
ハブシカさんというのは,ロシア語で「おばさん」という意味だそうです。円陣になって,隣の人と会話します。
「ハブシカさんて知ってる?」
「知らない」
「ハブシカさんが転んだんだって!」
「え〜,どんなふうに?」
ここでどんなふうに転んだか実演します(本当に転ばないで何かの動作がつけばよい)。そうしたら,みんなでそれを真似て転びます。それを聞いた隣の人は,また隣の人に同じように話しかけて,どうやって転んだか実演します。そしたらまたみんなで真似て転びます。新しい転び方になるまでは,前の転び方でずっと転び続けます。
二つのディインヒビタイザーが終わった時点で,おいしょさんから次のようなコメントをいただきました。「ディインヒビタイザーは劇薬のようなもの。うまく使うと一気に心の壁を下げることができるが,失敗すると逆に心の壁を高くしてしまうこともある。あまり早いタイミングでやらない方がいいかもしれない。」
トラスト・アクティビティの一番最初はトラスト・シークエンスです。二人組になって後ろ向きに相手に倒れ込みます。
倒れ込む人 | 手を胸の前でひねりながら組んで,肘をしめる。かかとをくっつけて,おしりにえくぼをつくるような感じでキュッと力を入れる。 倒れる前に言葉で安全確認をする(後述)。 タイミングがずれたり,不安になったときは「足・安全装置」を後ろ側に出して自分で支える。 |
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受け止める人 | 足をやや広げて前後に開き,膝のバネを使えるように若干膝を曲げておく。腰を痛めないように,上半身をあまりそらない。 受け止めるときは肩胛骨のあたりに手を添えて受け止める。3人組で前と後ろ両方で受け止めるとき,前の受け止めは倒れる人の肘のあたりを支えるようにする。 最悪の場合でも,倒れる人の頭が地面にぶつからないように保護する。 倒れる人に膝がぶつかると危険なので,受け止めるときに膝を出すような形にならない。 |
倒れ込むときの安全確認は,「準備はいいですか?」→「いいです」→「倒れます」→「支えます」というふうに行います。
仲間が2列になって両手を出し,ベッドをつくっています。そこに走り込んでダイブして,受け止めてもらいます。走り込む人は,トラスト・シークエンスのように安全確認をしてからはじめるようにします。
支える側の安全上の注意点は,
受け止める衝撃は予想以上に強く,人間の体の重さを再確認しました(この感覚が次のトラスト・フォールやハイエレメントでのビレイのときに生きてきます)。
仲間が2列になって両手を出し,ベッドをつくっています。そこに高さ1.5mの板から,後ろ向きになって倒れ込みます。倒れ込む人は,トラスト・シークエンスのように安全確認をしてからはじめるようにします。また倒れるときの姿勢は,トラスト・シークエンスと同じです。ただし,ちゃんとまっすぐになっていないと斜めに落ちてしまって危険なので,つま先が台の縁と平行になっているかどうかしっかり確認します。また,落ちるときに怖がって手を離すと,受け止める人にエルボーアタックをすることになるので(危険!),注意します。
支える側の安全上の注意点はトラスト・ダイブとほぼ同じですが,それに付け加えて,
受け止める衝撃は非常に強かったです。私の腕はバレーボールをしたあとのように赤くなりました。上の写真は倒れ込んだ直後の映像ですが,左右の受け止める人の映像のぶれが,その衝撃の強さを物語ります。受け止める側はあまり人数が少ないと問題です。最低でも8人は必要ということでした。また,人間の重さを実感してもらうために,トラスト・フォールの前に必ずトラスト・ダイブをやるように計画するべきだというコメントをおいしょさんからいただきました。
(注意)このトラスト・フォールは危険が伴います。他のアクティビティも同じですが,この文章を読んだだけで安易に実施しないようにしてください!!急に雷雨になったので,一時,センターハウスに避難して,そこで蜘蛛の巣くぐりをすることにしました。ロープでできた蜘蛛の巣を,みんなで協力してくぐって逃げるというアクティビティです。蜘蛛の巣にさわってしまうと,蜘蛛に感づかれてつかまってしまいます。また,一度くぐった場所は2度と通れなくなります。
メンバーはこのアクティビティを何度も経験しているので,ちょっと油断があったようです。ちょっとした不注意で何人も蜘蛛の巣にさわってしまい,くぐる穴を使い果たして危なく続行不可能に陥るところでした。しかし,最後はピーチボーイの軽業師のような身のこなしと全員の協力のおかげで,なんとかクリアすることができました。2日目の最後のアクティビティはフィジットラダー。2本の支柱の間に渡された,菱形の梯子を登っていきます。バランスをとるのがとても難しく,みんな這うようにして登りました。スポッティングは,梯子が回転しないように注意するところがポイントです。
最後に今日1日を振り返ってみました。そこで出たのは次のような意見です。
二日目の座学は,明日からのハイエレメントに備えてロープワークの講習会でした。
最後に,ハーネスの結び方を学習してお開きになりました。この晩は,ふとんに寝てから頭の中で,あるいは夢の中でロープを結ぶ練習をしてしまった人も少なくなかったようです。このロープに命を託す…事の重大さにみんな緊張していました。
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