最後は永遠の課題,指導技術の向上についてです。個別の指導計画を作ってみると,目標はたくさんあがってくる。だけど,どう指導したらいいか分からない。こういう状況が多いように感じます。で,どうすれば指導技術はあがるのだろう?と思うわけですが,私なりに考えて実践している方法をご紹介します。キーワードは『ドラえもんのポケット』です。 ドラえもんは,ご存知のようにのび太くんの困った状況に合わせて,四次元ポケットからピッタリのアイテムを出してくれます。教師も,生徒の状況やその場面に合わせて,ドラえもんのようにピッタリの指導方法・技術を出せるようでありたいと思います。それでまずは…。 |
もちろん,どの引き出しに何を入れるかは,教師によって一人一人違っていいんです。私の引き出しの中で,使えるアイテムがたくさんはいっているのがこの3つの引き出しです。 これらは全部,生兵法です。本を読んだり,研究会で学習したり,その道の達人に聞いたり…。その道のスペシャリストになるには,それなりに時間を投資しなければならない。でも,そこまでしなくても,それらを使える人にはなれる。スライドにはジェネラリストと書きましたけど,むしろ「ジェネラル・ユーザー」と書くべきでした。使えるものはなんでも使っちゃえというわけです。 ただし注意点がひとつあります。表面的に形だけ真似をするのではダメ。本質をとらえる努力をすることが大事だと思います。例えば,TEACCHの構造化が自閉症の療育に適切だと聞いて,自閉症の生徒には全員ついたての中で,絵カードコミュニケーションをさせる。こういうのは形だけをとらえていてまさに「生兵法は怪我のもと」です。TEACCHの考え方は,一人一人の特性に合わせて,その人が一番やりやすい分かりやすい環境を整えるというものですから,自閉症の生徒だって一人一人違うということを忘れてはまずいわけです。 |
引き出しを増やすためには情報が必要です。しかも,情報というのはどっかに「たまっているもの」ではなくて「その辺を流れて行くもの」なんですね。だから,常にそれをつかまえる努力をしていないと,流れ去っていってしまいます。 私が情報収集に関して心がけているのは,常にアンテナを高くしておくということと,たくさんの情報の中からいいものだけを選ぶということです。 私の情報源はこのスライドの通りです。この中で最近便利だなと思うのは,インターネットの書籍検索です。私は主にセブンイレブンのホームページの書籍コーナーを利用していますが,先日,障害児の性教育について書かれた本を調べたくて,「障害児」と「性教育」という二つのキーワードで検索したら,あっという間にずらずらとたくさんの本が引っかかりました。街の本屋さんではどんなに大書店でもこれほどの品揃えはないでしょう。その中で買いたいものがあれば,簡単な操作で注文して,自宅に配送してもらったり,近くのセブンイレブンまで配送してもらったり(送料無料)できるのです。実際に手にとって見れないのが弱点ですが,その弱点を補ってあまりある便利さです。 |
情報は収集するだけでなく,オリジナルの情報はどんどん発信していくのがいいと思います。個人が手軽に発信するのにはホームページが最適です。 ホームページをつくるには時間と労力が馬鹿にならないんですが,それを費やすだけの意味があると思って作っています。ホームページを見ていただいた方から,いろんなことをメールや掲示板で教えてもらったり,新しい出会いのチャンスが生まれたりします。もしこのホームページを作っていなかったら,3月に療育セミナーで発表することもなかったし,そうなると今日ここで皆さんと会うこともなかったのです。 また,作ったホームページは私の教師としての仕事の記録にもなっているんです。今,総合的な学習のなかで学習のポートフォリオをつくる動きが広がってきていますが,このホームページは,私の教師としてのポートフォリオでもあります。 |