|
- 実態把握マニュアルの目的
- 実態把握にかかわる書類
- 実態把握のための記入シ−トと記入例
- 子どもの現在の生活の様子と家族の希望
- 子どもの現在の生活地図
- 日常生活のスケジュ−ル/平日用・休日用
- 領域別チェックリスト
- 子どもの将来の生活の予想
- 進路指導関係
- 「生徒の実態」の書き方
- 「大まかな将来像」の書き方
このマニュアルは,次の3点を目指して作成された.
このマニュアルによって作成される資料は,生徒本人や家庭のプライバシーにかかわるものなので,取り扱いには十分注意する必要がある.
|
記録者 | |||
保護者(学園) | 学校 | 関係諸機関 | ||
子どもの現在の生活の様子と家族の希望 | ○ | − | − | |
子どもの現在の生活地図 | ○ | − | − | |
日常生活のスケジュール(平日用、休日用) | ○ | − | − | |
領域別チェックリスト | ○ | − | − | |
子どもの将来の生活の予想 | ○ | − | − | |
進路指導関係 | 進路希望調査 | ○ | − | − |
職業適性検査 | − | − | ○ | |
進路指導記録簿 | − | ○ | − | |
高等部学級経営案生徒の実態と記録(2)(3) | − | ○ | − | |
学期の記録と到達目標の評価 | − | ○ | − |
|
|
進路指導を進める際の基礎資料とするため,生徒の保護者の進路に関する考え方を調べる.1・2年生で進路がまだ漠然としている場合は,通所施設・入所施設・就職等の表記で良いが,なるべく具体的に記入してもらうようお願いする。
|
|
宮城障害者職業センターに依頼して検査してもらう。
進路指導を進める際の資料とするため,進路希望調査,職業適性検査(検査結果がある場合)などの資料をもとに総合的に判断して「生徒の将来像」を記入する。「生徒の将来像」から,その年度の「目標」を設定する.学級経営案の生活,作業等の目標と重なる場合は,学級経営案からコピーしても構わない.「指導の記録」「評価」は学習指導記録簿(2)(3)や通信票からコピーしても構わない.「次年度への引継ぎ事項」は,特に重要と思われる課題と伸ばしたい能力について記入する.
- この書類は,研究とは別に,進路指導部の方から出てきているものです.この書類の内容は,研究の一環で作成した他の資料と重複する部分が多いので,整理する必要性を感じているところです.
生徒の実態を,様々な角度から把握して,それを基に本人や保護者のニ−ズと指導者の考えをあわせて「本年度の課題」を選定する.「生徒の実態」の欄には,「本年度の課題」に関わる部分について,具体的に記入する。
それ以外の実態については,個人用管理ファイルを参照する.
平成○年度 高等部 年 組 氏名( ) 大まかな将来像
|
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これは表紙です.年度・組・組の記入欄は3つ作ってあります. | これは見開きの左側です.A4サイズの大きさです.評価の欄は,「本年度の課題」の評価を記入する欄です. | これは見開きの右側です. |
大まかな将来像は、将来子どもがどの程度のレベルの社会生活を営んでいるかという予想を描くものである.これは,長期的な見通し,あるいは目標である.このような見通しが正確かどうかは前もって知る術はないが,子ども一人ひとりの将来のライフスタイル(卒業後どのような場所に住み,どのような職業につき,家庭または施設においてどのような生活をするか)を描くことによって,そこから逆算するように,今年の年間目標が設定される.
したがって,「大まかな将来像」は,理想を描くのではなく,現在の指導方針で育てていくとこうなるという実現可能な将来の見通しを描く.大まかな将来像を描くにあたり,何よりベ−スとなるのは保護者の願いであり,その願いを反映させたものでなくてはならない.
いつ頃までを想定して書くのか | 高等部卒業後3年程度を目安に. |
どのような内容を書くのか | 将来どこに住み,地域の中でどのように暮らしているのか.誰と住んでいるのか,余暇の過ごし方は,社会性は,日常生活の能力は…等々. |
そのための資料として必要なものは | 保護者からの実態調査結果 進路希望調査 他 |
|
|
4月第3週目まで | 実態調査結果をもとに担任が大まかな将来像を描いてみる. |
5月第2週目まで | 家庭訪問などの場面で,保護者・本人の希望を聞き取り,それをもとに素案を修正する. |
5月第3週目まで | 高等部学級経営案生徒の実態と記録の「大まかな将来像」の欄に記入する. |
進路について | 母親の居住地近くの通所施設に入り、作業を通して、周囲の人たちと活動する中で協力性や社会性を身につけていく。いずれは、作業所から派遣される清掃作業などを行ないながら、社会の一員として働くようになってほしい。 |
地域において | 休日には、近くのス−パ−に一人で買い物に出かけたり、母親の経営する店に行き、店員たちと一緒に手伝いをするようになってほしい。 |
家庭において | 母親の帰宅時間がまちまちなので、妹と協力して夕飯の用意ができるようになってほしい。また、一人で留守番することも多いので、好きなCDを聞いたり、日記などを書いたりして落ち着いて過ごせるようになってほしい。 |
参考文献
発行者:財団法人 安田生命社会事業団
(〒170 東京都豊島区東池袋1−34−5 安田生命池袋ビル)