トップページへのリンク kuni の研修日記

MAP研究会は,宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。

kuniの研修日記(7)
冒険教育ワークショップ
@京都市宇多野ユースホステル

2001年6月30日〜7月1日

スタッフ

難波克己(KAT),小西浩嗣(コニタン)

Beingの様子

__時速250キロ,滑るようだな走る__

 東海道新幹線で一路京都へ。東京駅から乗った僕は新横浜でKATと合流し,新幹線に揺られて京都に着きました。京都といえば…。

 僕は教員7年目なのですが,2学年の担当が非常に多く実は修学旅行がこれまで3回。そのうち2回は京都なのでとても身近で大好きな都市です。さらに今年の12月には蔵王高校の修学旅行で再び訪れるということもありとても楽しみ,下見なんかしておこうかと余裕の下心も見え隠れする研修でした。しかし実際にふたを開けてみると…。

コニタンとの出会い

 ところで,今回のワークショップを企画されたのは,京都ユースホステル協会で環境教育事業部に所属する小西浩嗣さん(コニタン)でした。以前からとてもすてきな方だというお話を伺っていたのでお会いできることを楽しみにしていました。私たちが京都に着くと,コニタンがPAのTシャツを着て迎えに来てくださっていました。もう会った瞬間に「この人だ!」という印象を持つほどすてきな方で思ったとおりでした。雨の降りしきる中,車で走ること20分ほど。宇多野ユースホステルに到着。ここはとても有名なユースホステルだそうで,外国からの宿泊者が3分の2くらいいて国際色豊かな環境でした。

 この研修は,インターネットの環境gooなどでも紹介されたもので,京都で行われるワークショップとはいえ参加者を見ると,東は千葉県や群馬県,西は岡山,四国地方など非常に広い範囲から集まってきた参加者でした。もちろんとってもレベルが高い,考えをしっかり持っておられる方ばかりでした。中には「難波さんという名前があったから」と参加した野外関係の指導者や,「難波さんという人に会ってこい」と教授に勧められた大学生などそれぞれの背景も多種多様で非常に面白い集まりでした。学校のある土曜日の午後からの研修にもかかわらず学校の先生方の参加も多く,学校現場でぶち当たった問題にどうにか対処していきたいという強い願いが伝わってきました。

宮城県危うし!?

 このワークショップに参加してとても感じたことは,とにかく野外で活動している大学生が多いということです。彼らはボランティアでディレクターなどのスタッフとしてキャンプなどに携わり,早いうちから小学生をはじめ,いろいろな年齢層の子供たちを動かす経験がある人がとても多いのです。彼らに将来は何になりたいかと聞くと,教員を目指す学生や,野外関係で仕事に就きたいという学生など教育に携わっていく夢を持った学生が,できるだけ若いうちにこのようなセミナーに自費で参加しているということです。宮城県ではこのように意識の高い学生がどのくらいいるのでしょうか,また学生がボランティアとして活動する機会を与えてくれる施設がどれくらいあるのでしょうか?この絶対数が宮城県には不足していると思います。

 僕が花山AP(7月末)に参加して思ったことは,haya(早坂久美子さん)の感覚のすごさでした。彼女はショウ(高嶋先生)のもと,学生時代から泉が岳青年の家で活動されていました。僕がPAの体験会(当時は冒険ゲーム体験会という名前だった…)ではじめてペアを組んだのがhayaでした。彼女は今志津川の方で中学校の教員をされており,学校にMAPを取り入れておられます。彼女ならキットうまくできるという確信が持てるほどすてきな感覚を持っているのです。それは学生時代からPAに携わっていたからかもしれません。彼女のように活動の場が多くなれば,きっと宮城県へのMAPの導入もよりスムーズに行くことでしょう。これは絶対に考えていかなければならないことだと深く思いました。MAPの体験会や講習会…氓ナも生涯学習課などでこのような活躍の場が得られる土壌づくりなどをしていったらいいのにと思いましたし,実際そうやっている地域はスムーズに導入しているようです。これは急がなければ…。

ワークショップ開始

 さて,話を戻して,初日の午後はニーズアセスメントから始めて,アイスブレーキングを中心に進んでいきました。KATのお話しには,僕が2年前に蔵王高校での研修などを通してKATから学んだことに,さらに非常にたくさんのエッセンスが詰まっており,毎回毎回がKATもチャレンジをしているのだなあということがすごくわかりました。もちろんそれは当たり前のことですが,日々進化しているのですよ,あんなにもともとすごいKATも。特にすごかったのは,実はKATは新幹線の中でアウトラインの最終チェックをするはずだったのが,ほとんど電話が鳴りっぱなしの状態で新幹線のデッキ(?)にほとんど出っぱなしの状態でした。そんな中で研修会場に到着し,コニタンと打ち合わせをしたあとのことです。「僕を15分一人にして」とソロの状態を作りました。その中でずっとアウトラインやら参加者に示す紙の記入やらをすべて終えてしまったのです。そして15分後には完璧にフレームができあがったワークショップが始まったのです。大まかなアウトラインはすでに考えてあったとはいえ,参加者の背景などを見て,その上短時間で判断して始めるということは,さすがに経験がないとできないことでしょう。しかし僕たちもそんな機会にいつ出会うかわかりません。とても参考になりました。

KATワールド

 さて,夜の部はどんな感じなのかなと楽しみにしていたら,KATがPAの歴史をすべて話してくれました。それもOBSのパンフレットを紹介しながら,これがベースになっているという背景を含めて…。さらにPAの基本理念となる

などの話から, に至るまで,懇切丁寧に参加者に提示していました。

 さらに最近とても面白いと思っている話は,

という話です。詳しく知りたい人は連絡をくだされ,kuniまで。

 また,「非日常」と「日常」との間の橋渡し役がファシリテーターの役割であり,「非日常で個人として強くなる,すなわち成長する」のがあったとしても,「日常」に戻った時に理解してくれる人,共有できる人がいないと,「理解されない」「受容されない」「認識されない」という悲劇になってしまう。だから,「非日常でできないことは,日常ではできるはずがない。でも非日常でできたことは日常でもできるはずだ」という強い信念を持つことも必要かな,ということをKATの話を聞いていて感じました。

必殺技?

 よく生徒対象に授業をしたりする時に,面白くなさそうな顔をしている生徒がいたとします。そのときの対応の仕方の一例をKATが紹介してくれました。

今日は何しに来たの?何やるって聞いた?
「わかんない」

何したい?
「別に」

それじゃ,2日後ここから帰る時,楽しく笑っているのと,悲しいのと,苦しいのとどれがいい?
「楽しいのがいい」

サイコー!それじゃ楽しくやれるのには何が必要?
「わかんない」

ルール守らないってどう?
「いやだ」←このようなものを削除していく

こうやって道を作っていく方法もあるということを聞きました。ぼくはやったことないけど,チャレンジャーの方是非おためしあれ。

 それと,英会話のNOVAのCMで「入ろか戻ろか考え中」というものがありましたが,あれを例に出して,「入ろうとしているのを後ろから押すのはだめ,PAは『帰るよ』と投げかけておいて,『いや,やっぱりやる』を導き出すスタンスも秘めている」ということも話してくれました。「なるほど」と感動しているのは僕だけ?

 また,こんなことも言っていました。とにかくすごかったの,この日のKATは。Unstoppable!
「PAは仲良くなりたくない人を仲良くさせる道具ではない,またやりたくない人をやらせる気にさせる道具ではない」
この言葉を聞いてからかなり気が楽になり,僕のチャレンジレベルも俄然アップしました。

Big Mouth?

 さて,少し大きなことを言ってみようかな。僕たちが今まで学んできた学習環境って,振り返ってみるとどうだったのでしょうか?もちろんいい部分もたくさんありましたが,少し変わってもいい部分もあるのではないでしょうか?その学習環境を変えていくためにも,今までとは違った学習環境を整備していくのが僕たちの使命なのではないか?と僕は思います。今の小学生も,20年後には今の僕たちと同じような教える立場になっている人がいるのです。彼らに何かを伝えなければならないと思うのです。ちょっと大きいことを言っているかもしれませんが,でももうすぐそこですよね。こんなことを真剣に考えてみるのも悪くないかな…?

これは伝えておかないと…

 最後にもう一度言います。宮城県ではMAPとして教育を学校だけで背負い込もうとしている感じですが,野外の施設などにもどんどんMAPを普及させ,そのような設備を利用した継続的な活動が必要だと思います。学校だけではまかないきれないことも,地域や野外施設などの力を借りればばっちりです。そのスタッフがたくさん出てくること,またそのような施設がさらに充実することを期待してやみません。

アクティビティリスト written by コニタン

 参考まで1泊2日で行われたこのセミナーのアクティビティリストを紹介します。

午後

kuni


kuniの研修日記:目次に戻る

表紙に戻る