MAP研究会は,(財)カメイ社会教育振興財団
宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。

 = 第2回研修会(仙台青年の家)・活動報告 = (kuni)

 7月22日(土)の10時から〜16時まで,仙台青年の家でMAP研究会の第2回研修会を行いました。PAJより難波克己氏を講師として迎え,20数名の会員が参加しました。

★目次★

  1. 事務連絡
  2. MAP研究会の活動計画の確認
  3. VTR検討会
  4. アクティビティ研修
  5. ファシリテーターとして環境を作る

1.事務連絡

・新しい会員の入会の報告  早坂先生(マンちゃん:涌谷中)ほか5人の先生方の入会が承認されました。 また,川渡小から2人の先生方が体験入会に来られました。是非入会,お待ちしてます。
・補助金について  教育公務員弘済会からの補助金の贈呈式を行いました。

2.MAP研究会の活動計画の確認

 前回のKJ法を使ってのMAP研の計画を今回の参加者全員で把握しました。さらに今回の参加者にもいくつか付け足しをしていただきました。

《Katの最近の推薦図書》
EQ こころの知能指数 ダニエル・ゴールマン著 講談社

…これを読まずしてPAは語れない,らしい。

《Katの今回のMAP研での目標設定》
ファシリテーションをする場合のチェックリストを作る

3.VTR検討会

 蔵王高校のBobが5月にLHRで行った“卵を守る”(前回の活動報告参照。イニシアティブにはいるのかな?)をkuniとHIGUがVTRに収めたものをみんなで鑑賞し,意見を共有しあった。その後,Katから助言をいただいた。

◎会員から

 「グループ内での振り返りにとどまらず,クラス全体で振り返る場面があればよい。時間がなければ帰りのHR等で全体に知らせ,共有するだけで効果は大きい」という意見などが出された。

◎Katからより高度なファシリテーションの仕方を助言いただいた

◎感想

 やはりVTR検討会はとても効果がある。全体で意見を共有できるので,自分たちの気づかない部分をフォローしてもらえる。今度は私のVTRも見てほしいと思った。皆さんもどんどん撮っておいてくださいね。みんなで鑑賞しあいましょう。

4.アクティビティ研修

(1)アルチチャ

(僕にとってはディインヒビタイザー,でもTOMOにとっては単なるアイスブレーキングらしい…)

 thumbs up, wrists together, elbows together, knees together, toes together, hip to the left, tongue to the rightなどの形を取って「アルチチャ,アルチチャ,アルチチャチャ」という感じで踊る。

(2)ウェムサムサム(前回の活動報告「おわりのあいさつ」参照

(3)ブラインドポリゴン(別名ブラインドスクエア)

 10人程度で目をつぶり,1本のひもを決められた形(正方形,長方形など)にしていくという課題解決。

 狭い教室で2つのグループが混在して行ったので,安全面への不安を残して,さらに視覚,聴覚が失われるという状況の下,試行錯誤を繰り返しながら行われた。周囲の人(スポッター)の安全面への配慮もかなり重要視された。

 TOMOからの振り返りでは,

についてみんなで話し合った。

 ・ = ・ = ・ = ・ = ・ 

 ここからはKatが黒板などに書き出した内容を写したものです。次回もこの情報をもとに話し合いを持つので事前に見ておいてください。

《PA手法適応領域》
  • 学校経営
  • クラスマネジメント
  • 生徒会活動
  • クラブ活動 チームビルディング(フルバリュー・チーム)
  • ユースリーダーシップ開発(上級生が下級生を支援)
  • 教科学習 体育・健康教育の中での協働学習
  • 地域活動 サービスラーニング
  • 野外教育 環境教育

《振り返り段階》
振り返りの段階

《ディブリーフィング》
Funnel System(じょうご(漏斗)のようなシステム)
Funnel System

5.ファシリテーターとして環境を作る

  1. 身体的環境の設定:活動場所の安全性
  2. 学習者にとっての安全性:FVC,CBC
  3. ファシリテーションのプロセス:支援の仕方
  4. ファシリテーターの非言語・言語化コミュニケーション:支援者としての存在感
  5. ファシリテーションのシークエンス(順序・レベル・構成の仕方)

 上記の環境設定について,参加者みんなでブレインストーミングした。その結果以下のような意見が出された。

a.身体的環境の設定:活動場所の安全性

  • 机・いすは大丈夫か
  • 活動に適した広さはある?
  • 人数は適当?
  • つまずくものはないか?
  • 天気はどう?
  • 温度はどう?
  • 外の場合安全はどう?(ハチ,ヘビ)
  • グラウンドコンディションは?
  • 集中力を欠かせるものはないか?
  • 靴ははいている?
  • 器具の安全性は?
  • 床は滑らない?
  • 個人的に参加できない理由はない?
  • 健康状態の確認
  • 活動場所(広さ・段差・滑らない・突起物等)
  • ものの安全(設備・用具・活動する人の服装等)
  • グループ人数の適性
  • 天気・気温・機構の配慮
  • 時間帯・物理的環境(前後左右上下)−−−地面・床・コンクリート・服装・日かげ日なた/周囲の状況(だらだらした雰囲気)・プール・メシ
  • 季節
  • 時期(テスト前とか新学期とか)
  • そこにある「カベ」「カラ」が取り除ける環境設定
  • 1グループの人数はどうか?適当かどうか?
  • 集中できる場であるか?
  • 広さ
  • 明るさ
  • 場の安全性
  • 目標の設定
  • 何の時間に行うのか
  • 気温
  • 目の高さ
  • 目線
  • 曜日・何時間目
  • 運動着・教室での授業(スカート・ズボン)
  • 個人情報の確認(健康等)
  • 気候
  • 活動場所の安全確保(室内か室外か・広さ・危険物を取り去る)
  • 時間帯(午前か午後か)
  • 人数(ファシリテーターや参加者)

b.学習者にとっての安全性:FVC,CBC

  • 話を聞いているか
  • 自分の思ったことを伝える
  • 相手の思いを受け入れる
  • 参加者の表情や指示に対する動作(集まり具合・輪の作り方・声のトーン等)を読みとる
  • 身体上のハンディの把握
  • 身体的なものはどうか?→チャレンジバイチョイス
  • 休養は大丈夫?
  • 体の状況チェック
  • 何でも言える?
  • フルバリューは大丈夫?
  • グッドエラーがある?
  • 心に問題を抱えていない?
  • 何を求めているの?
  • 活動に適した服装?
  • その人にとってグループは安全なの?
  • 課題の難易度
  • 学習者の心身状況(個人+グループ)
  • ルールの確認
  • 取り組み方(攻撃的)
  • チャレンジバイチョイス
  • フルバリューコミットメント
  • 怖い,痛い…等の思いを持たせない。
  • 服装や身につけているものは大丈夫か
  • 個を限定してしまうような発言などはないか
  • 簡単,やれそうなどの意欲の持たせ方
  • 身体的・精神的発達段階
  • 争いになったときの解決の仕方(争いを好む子,好まない子)
  • 走らないなどのルールの確認
  • 悪ふざけ,からかいは許さない
  • 目標設定
  • そこにある人間関係
  • 実施するタイミング・時間

c.ファシリテーションのプロセス:支援の仕方

  • 事前調査を頭に入れておく
  • 安心や励ましの声がけ
  • 課題説明の仕方
  • できそう・やれる…困難性 易→難(グループの状態を見極める)
  • グループと個人の関係作り…やれない・やらない(原因は?)
  • 目標・ねらいの自発的な持たせ方
  • 時間の設定
  • 行き詰まりへの援助のタイミング・方法
  • GRABBSS
  • 肯定的な言葉をどう使う?
  • 指導してるんじゃない?
  • 要点を簡潔に説明してる?(多くを語らず)
  • 役割を与えるときもある
  • 声のトーン・速さ・タイミング
  • 活動を終えるときの言葉
  • 自己開示してる?
  • 5W1H
  • 道具の準備
  • 心の準備
  • 目標の設定
  • 日常・非日常
  • 視点
  • 振り返り
  • 組み立て・構成
  • 支援の仕方(強制的でないか)
  • チャレンジバイチョイス
  • 普段の学習者との関係
  • バックアッププラン

GRABBSSって何?

- Goals:目標
- Readiness:準備
- Affect:感情
- Behavior:態度
- Body:身体
- Setting:背景
- Stage of Development:グループの発達段階

d.ファシリテーターの非言語・言語化コミュニケーション:支援者としての存在感

  • 手ぶり・身ぶり
  • しぐさ・服装
  • 表情(笑顔・まじめそうな…)
  • 児童の肩に手をかける,頭をなでるなどの身体接触を有効に使う
  • 話し方・声の大きさ
  • 小道具
  • ファシリテーターの立つ場所
  • 声の強弱
  • 必要に応じたアクション
  • ファシリテーターのそのときの感情→表情65%
  • 活動時ポジション取り
  • カウンセリングマインド(一人で何役にもなれる)
  • ジョークが出てくる
  • 目・表情・しぐさ
  • 手の動き
  • 声のトーン
  • 立つ位置
  • タッチ
  • さわり方はどう?
  • 距離
  • 服装
  • 意識して逆らっている?
  • ファシリテーター自身問題を抱えていない?
  • 共通のサインを作る(持つ)
  • ファシリテーター自身の表情はどうか?
  • 立ち方・立つ場所・学習者との距離
  • 話し方
  • 声のトーン
  • 声がけ
  • 言葉遣い
  • 服装
  • 表情
  • 視線
  • 何を言うか(何を言わないか)?

e.ファシリテーションのシークエンス(順序・レベル・構成の仕方)

 これについては,次回話し合うため,今回はふれず。

 ・ = ・ = ・ = ・ = ・ 

《ファシリテーターのためのチェック欄》
アクティビティのセットアップ
  • 場所
  • 環境・状況
  • 用具・器具
  • テクニック
参加者(学習者)の安全性
  • 身体面
  • 情緒面(感情面)
コミュニケーション スタイル/方法
  • 非言語
  • 言語
  • 表現法
認識レベル
  • 具体的なレベル
    • 知識(記憶)
    • 理解
    • 適用(使い方)
  • 抽象的レベル
    • 分析(関係付け)
    • 統合(創造性)
    • 評価(意見)
振り返り
  • 思い(感情)・考え・起こったこと
  • 解説
  • 比較する
  • 日常生活との関連性
  • 解決策の提示
  • 価値のチェック
発問
  • …時,何をしましたか?
  • …時,何が起こりましたか?
  • …時,どう感じましたか?
  • …時,グループは何をしましたか?
  • …時,あなたにとっての一番印象にあることは?
  • …時,あなたにとっての学びは?
  • …時,あなたにとってのもっともチャレンジングだったことは?
  • …時,あなたにとっての思い起こすことは?
  • …時,あなたにとっての役に立つことは?


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