MAP研究会は,(財)カメイ社会教育振興財団と
宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。
11月25日(土)・26日(日),蔵王高校で行われたMAP研究会の報告です。今回は約15名のメンバーが,蔵王高校第2体育館にこの春設置された室内ハイエレメントを体験しました。蔵王高校には,ローエレメントとしてポータブルなモホークウォーク(ワイルドウージーにも早変わり),壁にはトラバースウォール(壁を移動するクライミング系)などが設置されており,ハイエレメントとしてカーゴネット,ジャイアントラダー,ムササビスウィング,ポータブルパンパーポールがあります。
今回はカーゴネット,ジャイアントラダー,ムササビスウィングをニノさん(二宮孝さんfrom PAJ),そしてトモ(関智子さん)のファシリテートで体験しました。夜の宿泊は普段から蔵王高校が非常にお世話になっているえぼしペンションで,夜が更けるまで尽きることのない情報交換の場となりました。
蔵王での開催ということで,寒さなどが心配されましたが,まさに私たちの会を祝うかのようなIndian Summer(小春日和)のもと,楽しい体験会が行われました。
かあちゃん(菅原恵子さん),ショウ(高嶋正之さん),JAPAN(二本柳淳一さん),修ちゃん(渡邉修次さん),シュガー(佐藤博さん),わぶん(佐藤和文さん),イッシー(石田優光さん),Bob(菊地潤さん),kuni(高城邦弘),佐野督郎さん,佐野っち(娘さん),みっちゃん(光井正さん),ピーチボーイ(猪股洋文さん),ヒグ(樋口隆宏さん)KONちゃん(金野和男さん),クワガタ(早坂潤さん)。
このメンバーに今回の宿泊を手配してくださったえぼしペンションのオーナー(高橋雅夫さん),修ちゃんからご推薦のチャンキー(船迫淳一さん・西根中),オイちゃん(及川幸男さん・米山中)が加わりました。
メンバーが自主的にアクティビティを出し合う形で始まりました。最近はこの形でも積極的にやる方が増えてきました。すごい進歩だと思います。メンバーは旧知の仲が多く,すぐにこの活動に入れました。
身体を動かす活動,他人とふれあう活動で壁がどんどん下がっていきます。
もう休んでいる人がいないほど積極的に動き回り,もとの円がどこだったのかわからなくなりました。
名前を覚えたことの確認をかね行いました。サークルになって真ん中にオニがいます。ある人の前に行って「左」といったらその人は自分の左の人の名前を言わなければなりません。制限時間はこの日は「ジャンボジャンボジャンボ」とオニが唱える間。「自分!」「私!」などどんどんエスカレートし,挙げ句の果てにはオニが逆に指名されるなどてんやわんやの大騒ぎで,グループのムードも一気に高まっていきました。
コマーシャルハーネス(市販されているハーネス)の付け方,カラビナ・ATCの正確な取り付け方などを教わり,命を守るものを身につけるということから,メンバーの表情も引き締まり,緊張感も高まってきました。
2重,3重のチェックがされるこの活動から,我々が普段忘れかけている「確認」ということの重要性を再認識しました。
登る人(チャレンジャー,クライマー),命綱を操作する人(ビレイヤー),ビレイヤーを見てさらに安全性を高める人(バックアップビレイヤー),ビレイヤーが地面から浮かないように押さえる人(アンカー),チャレンジャーが登り始めたときに地面に落ちないように下から支える人(スポッター)とそれぞれの役割を教えていただき,その役割に従事する際の注意事項を教えていただきました。
午後のビレイ練習でビレイ経験者と未経験者がバランスよくなるようなグループ分けをして,お昼休みとなりました。(4〜5名ずつのグループを作りました。)
【↑】目次に戻る午前中に分けた4〜5人のグループで,全員がチャレンジャー,ビレイヤー,バックアップビレイヤー,アンカーを体験するという形で行われました。どこの体育館にでもある金具の部分にカラビナをつけ,そこで練習するというやり方に,工夫・アイディアの出し方などのすごさを感じたメンバーも少なくないでしょう。さすがニノさんでした。メンバーもさすがに意識が高く,あっという間にマスターしていきました。しかし,私自身の反省点としてはマスターするのが早い分,安全確認などがおろそかになってしまうこともあり,慣れてきているからこそ,できるようになったからこそ初心を忘れない姿勢が必要なんだと痛感しました。
さて,ここからはそのグループごとでの体験です。
a.カーゴネット
地面から約10メートルの高さまでのネットを上っていきます。目標設定はもちろんチャレンジャーに任されますが,みんなどんどん上まで登り最高地点まで到達する人がたくさんいました。身体の全部を使うのでとにかく疲れますが,チャレンジャーもさることながら,ビレイヤーの真剣な表情も見逃すことができません。ビレイ解除後の固い握手がすべてを物語っていました。
b.ジャイアントラダー
太めの角材がワイヤーでつないであるハシゴです。一段一段の間隔が広く,しかも上に行くほど間隔が広くなるのでとてもチャレンジングです。まさに「巨人の縄ばしご」を2人で協力して上っていきます。個人的な挑戦と信頼・協力の色合いが強く,チャレンジャー同士,そしてビレイヤーたちとコミュニケーションを取り合いながら「あきらめようか」,「もっと上ろうか」という葛藤のもとで上っていきます。
その日の活動の締めくくりとして,いったんこの集団が解かれる際の儀式です。10秒たったら全員の指が一点に集まり,スパークして集団が解かれました。
【↑】目次に戻る《事務局 金野先生から》
《会員からの意見》
《ニノさんより》
《質問》
《まとめ》
えぼしペンションにてオーナー夫妻手作りの超豪華な夕食を囲みながら,おいしいお酒とおいしい話で有意義な情報交換がなされました。世間話から人生論に発展したり,ふとした会話からPAの本質に迫るようなあつい話になったりと夜は終わりませんでした。 場所を変えてロープワークの講習なども行われ充実した夜となりました。ロープが身体に巻き付いてしまう夢を見て,もがいていた人もいたとか? オーナー,本当にお世話様でした。そしてごちそうさまでした。
【↑】目次に戻る10人ほどでバスケットコートのサークルに輪になり,つないだロープにつかまって,ゆっくり後ろに体重をかけます。全員の力を感じながらそのままゆっくり腰を下ろし,またゆっくり立ち上がります。朝一番の静かな雰囲気で緊張感を高め,そこからモチベーションを高めていくにはまさにぴったりの活動でした。ゆっくりやること,そしてニノさんの落ち着いた話しぶりから出てくる私たちの意識の高まりを大きく感じました。
昨日に引き続いての活動でしたが,自分がどこをストレッチしたいかを主体的に考えていたのでよりしっかりしたストレッチになりました。1日でかなり信頼が大きくなってきたと同じアクティビティをすることのよって感じました。
2人1組で向き合って膝の内側,膝の外側,体側などをお互いの力を感じながらストレッチしました。人の力って案外強いんだなと感じたりしながら。
10月の活動報告を参照してください【→行く】。これはとてもいいウォームアップだなあ。
上のより動くバージョンです。終わった頃には身体はポッカポカ。息が切れるほどの運動になっていました。
昨日体験しなかった方のエレメントに上りました。カーゴネットに比べて,ジャイアントラダーの方がビレイが難しいので,昨日よりもより緊張の度合いをまして真剣に取り組んでいました。運動による汗と,冷や汗が混じってチャレンジャーは本当に汗だくになって活動していました。
「ピーターパンになった気分でした」と蔵王高校の生徒が形容したこのエレメントにみっちゃんをはじめ数名のメンバーがチャレンジしました。普段着用するハーネスのほかにチェストハーネス(上半身用)つけて,背中からつり上げてもらいます。ビレイする人は10名以上が必要でまさに一人のために全員が力を貸してくれるというこの上ない信頼を感じるエレメントです。全員でヘルメットに手をやって信頼を確認し,5,4,3,2,1,ゴーで一気に引っ張ります。そうするとあらまあ,ムササビのように飛ぶ飛ぶ・・・。全員がピーターパンになった気分でした。
メンバー全員の力を思い切り感じた後はおいしい昼食でした。
【↑】目次に戻るハイエレメントはひとまず区切りをつけて,バッグの中身を使ったり,ローエレメントを使った活動を午後から行いました。
布製フリスビーをズボンの後ろに引っかけて鬼ごっこです。お互いにしっぽを取り合うゲームで,とられたらその人は動けません。他の人のをとるか,地面に落ちているのを拾ってもう一度しっぽをつければまた動けます。うまく説明できませんが,とにかくおもしろいのです。
おなじみのサムライです。それに移動あり「勇者のしるし」ありになると何がなんだかわからなくなるほど激しくなってヒートアップしました。とてもおもしろい活動です,これはいつやっても。
ネーミングは定かではありませんが,目隠しをして全員がたっているとニノさんが優しくサムライで使ったフニャフニャ剣でとんとんとたたいてそれぞれの数を指定していきます。それを口を開いてもだめという条件の下で順番に並んで,宇宙船に乗ると無事にまもなくなくなってしまう地球から脱出できるという活動です。視覚,聴覚を制限された中での活動で,ハイエレメントの活動などで安全面を学んだメンバーたちは自然にバンパーを作るなど自分たちで気づきながら活動しました。みな無事,地球から脱出することができました。
質問は受け付けずでニノさんの話を聞きました。「これから綱押しをします。10秒後に綱がいっぱいあった方が負けです。10秒やったら1分間の作戦タイム,また10秒やってその後5分間の作戦タイムで最後に10秒間の対決です。それではヨーイドン」あれよあれよという間に始まって,後はもうなすがままです。
どうやって,どっちが勝ったかは教えません。これを見た人は自分たちで考えましょう。でも勝ったって,本当に勝ったのかなあ?
最後の活動として蔵王高校にあるポータブルなローエレメント,モホークウォークを体験しました。外で行うときのワイヤーの代わりに木の板を縦にして行うのですが,これがなかなか難しい。横揺れが大きいのではじめは簡単なのですが,長くなるにつれてどんどん難しくなっていきます。30分の時間の中で何とか目標を達成できたので充実感のもとのエレメント体験終了となりました。
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