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Sphinxです。
自分の個人サイトに書いた感想を,こちらにも転記します。
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7月20日(日)〜21日(月)の2日間,岩手・宮城内陸地震で被災した栗駒・花山の現状を見て考える,震災エコツアー(復興応援エコツアー)に参加しました。地元の方の案内で,次の場所を駆け足で見て回り,現地の方のお話をうかがうことができました。
・大きく崩れた土砂災害の爪痕
・全国から届けられたお茶碗を無料配布する「お茶碗プロジェクト」
・日本最古の藍染めの技法を今に伝えるただ一軒の農家・千葉まさよさんの工房
・細倉マインパークや細倉鉱山の佐野社宅(映画「東京タワー」ロケ地)などの観光地
夜は,くりこま高原自然学校アネックス松倉で,広瀬敏通さん(ホールアース自然学校),佐々木豊志さん(くりこま高原自然学校),大場浩徳さん(耕英地区振興協議会会長),荒井勣さん(NPO法人ひまわりの夢企画)の貴重な話をうかがい,自分と今回の地震のかかわりについて考えを深めることができました。
記憶が薄れないうちに,感じたことをメモしておきます。
【高校生のコミットメント】
阪神大震災を経験した荒井さんによる「お茶碗プロジェクト」。阪神での経験は中越に引き継がれ,中越地震の時は柏崎総合高校の生徒たちが全国から届く茶碗の受け入れ,仕分け,配布に大活躍しました。しかし,今回のお茶碗プロジェクトの会場に,高校生の姿はありませんでした。高校の教員として,そのことが一番心に残りました。被災した地域の一員として,高校生ができることはなんなのでしょう。今回,高校生がボランティアとして存在が薄いのは,どうしてでしょう。
(それぞれの高校にそれぞれの事情があるということは理解した上で…)
【温度差】
被災地にはさまざまな気持ちの温度差がありました。避難所にいる人と自宅で暮らせる人の温度差。山の方の被害が大きい地域と里の方の被害の小さい地域の温度差。震源地となった栗原市の北西部と,市役所など行政機関の集まる南東部の温度差。そういう気持ちのすれ違いが,いろんな活動にブレーキをかける現実。
【見えにくい被害】
山が崩れた。家が壊れた。そういう物理的な被害は見えやすい。その一方で,例えば日本でただ一軒,正藍染を今に伝える農家のそばを流れる二迫川が濁ってしまい,今年の反物の染め作業ができなくなるなど,今回の地震では地域の文化も被害も受けました。そういう文化の被害の深刻さは,現地で実際に話を聞かないとなかなか実感できないということが分かりました。また,地震によって過疎が一気に進んでしまう危険性も,現地に身を置くとひしひしと感じます。
【閑散とした観光地】
2日目に,細倉マインパークや細倉高山の佐野社宅(映画「東京タワー」のロケ地)など観光地をまわりました。マインパークは災害復興支援として入場料が無料,佐野社宅はもとから無料なのにも関わらず,2つとも閑散としていて,3連休の賑わいにはほど遠い感じでした。これがうささの「風評被害」? 地元の方の「観光に来ていただくだけで復興支援になる」という言葉が印象的でした。
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