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PAJのマスターがお薦めの本、岩波新書「ワークショップ」に
平田オリザ氏の演劇ワークショップについての文がありました。
それを読んで以前から興味を持っていたのですが、
今回、仙台で開催されることを知り、
勇気をふりしぼって参加してきました。
「演劇を通して世界を感じ取る」「演劇を通して人間を観る」
・・・そんな新しい知性を体感できる演劇ワークショップです。
・・・と、チラシにかいてあったのですが、確かにそのとおりでした。
とてもおもしろかったです。魅了されてかえってきました。
2日間(1日2時間半ずつ)にわたって行われたのですが、
以下は、そのはじめのほうのアクティビティです。
・カテゴリー
・トラストシークエンス
・趣味のペア
(参加者が1〜50までの数字のカードを1枚ずつ引きます。引いたカードにある数字が1に近いほど静かな趣味、50に近いほど激しい趣味をもつ人になりすまします。そして他の参加者と趣味の話をしながらコミュニケーションを図りながら、自分の引いたカードの番号に近いと思われる人を見つけてペアになります。全員がペアになり終わったら、みんなの前で自分の趣味と番号を発表します。今回のお題は趣味でしたが、場所を刑務所に設定し「罪の重さ順」にしてもよいし、場所を病院にして「病気の重い順」などにしてもおもしろいらしいです。)
・キャッチボールの演技
(これはキャッチボールをしているがごとくにボールなしで演技するのですが、相手との「イメージの共有」というのが難しいと気づきました。これはふだんのわれわれの授業でのTTでも同じではないかと思うのです。)
・長なわとびの演技
(長なわとびをしているかのごとくに6人で演技をします。)
・大ボールでのキャッチボールの演技
(3人ずつで大ボールを投げ合っているかのごとくに演技するもの。3人または6人でのイメージを共有することがポイント)
・・というふうにはじまっていき、
・「汽車で乗り合わせた3人の会話」や
・「研究室での7人の会話」などへと発展していきました。
これは、もとになる短い台本はあるのですが、それに参加者が台詞や態度、表情、アクション、小物などを自分たちで足して創っていき、一つのものとして仕上げていきます。
このワークショップを通して、いろいろなことを学んだのですが、
「観客はイメージの共有しやすいものではなく、イメージの共有しにくいものを観たがっている。そして、イメージの共有しにくいのが、たぶん心。イメージの共有のプロセスをつくっていくことが演劇。」
「生き生きと見える演技というのは、自分の外にあるものではない。自分のふだんの生活で行っている豊かなコミュニケーションに気づき、それを引き出していくこと。」
「常に自分の中で観客を想定できるかどうか」
・・・というような平田氏の言葉が印象に残っています。
平田氏のワークショップの創り方に憧れてしまいました。
僕にとっては、戯曲家や演出家というより、
一流のファシリテーターという感じです。
ふだんの授業やMAPに応用して、こんなふうにできたら・・・と思いました。
僕たち教師の授業にも演劇的なものはありますよね。
構成的グループエンカウンターやロールプレイング(道徳や学活)、
PAのアクティビティにもそういうものがあるし、
国語の教科書には戯曲が載っている。
僕自身、文化祭や選択国語で演劇的なものをやったことがあります。
まだやったことがないのですが、
海外では「ドラマ・イン・エデュケーション」という手法があるらしい。
機会があれば、
また勇気をふりしぼって演劇ワークショップに参加してみたいです。
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