MAP研究会 研究会<情報交差点>

※新規発言のパスワードは,投稿する方が自由に設定してください。

  新規投稿 ┃ツリー表示 ┃一覧表示 ┃トピック表示 ┃検索 ┃設定 ┃ホーム  
312 / 825 ツリー ←次へ | 前へ→

【1823】学力向上とMAP Sphinx 07/6/17(日) 16:40

【1827】Re:学力向上とMAP kenya 07/6/18(月) 22:58

【1827】Re:学力向上とMAP
←back ↑menu ↑top forward→
 kenya  - 07/6/18(月) 22:58 -

引用なし
パスワード
   kenyaです。
フィンランドの教育についての話題が取り上げられていたので、興味深く読んでいました。実は2月にフィンランド教育省主催の日本人教育者のための教育セミナーでフィンランドに行って来ました。そこで見てきたことをお伝えします。

学校で大切にしていることをwell-being at school の図で説明してくれました。well-beingは生徒の幸福、福祉というような概念であるが、日本の教育では簡単には理解しづらいかもしれません。well-beingを目指すためにhaving loving being healthの4つを上げている。havingは environment education safety。lovingは social relations teacher-pupil。 beingは opportunities self-development。 healthは psychosocial physical。この4つを大切にして学校教育を行う。私も何かMAPのようなものに似ていると感じて、質問してみました。「何か、人間関係を良好にするためのプログラムを参考にして、このような教育を行っているのですか?」アメリカのプログラムを参考にしているのかを確かめたかったのですが、「これらのプログラムは、フィンランドの大学の研究者たちが長年研究の末に開発したものです。フィンランドのものです。」と答えが返ってきました。教育の福祉をどーんと柱としている国から作られた生徒主体のプログラムと考えればなるほどと思いました。クラスのルール作りのことをbeingの活動で行っている例を出して話してみると、なぜ、紙に書かなきゃいけないのか、そんなことは書かなくても当然みんなが大切にすることではないか、教育の福祉であり、当然の権利ではないかと、逆に疑問を投げかけられました。国全体に福祉という考えがしっかりと根付いているため、フリュバリューが出来ていると思わせるような印象でした。

PISA学力の上位の秘訣を探ろうと、小学校、中学校の授業やシステムを見てきました。これと言った秘策や特別目新しいものはありませんでした。ごく普通に授業をしています。あえて言えば、20人以下の少人数学級と、特別支援教育ではないかと思いました。特別支援教育というと日本では障害者のための支援というイメージがありますが、算数でつまずきがある児童に対する支援などであり、学習に対する平等としての特別なサービスの特別支援教育が行われていました。パートタイムの特別支援専門の教員による取り出し授業も当然の権利として行われていました。そして、何度も説明された言葉は「早期に手立てを打つ」という考えでした。小学校に入る前のプリスクールで問題があればその子に対して早期にプロジェクトチームを作り早期に手を打つそうです。低学年で問題があれば早期に介入し、特別な教育を提供するそうです。とにかく落ちこぼしを作らないように、早期に手を打つという考えと権利が徹底していると何度も繰り返し強調されていました。つまり、下位群の子の底上げを徹底してやっていることが上位にランクされることにつながっている一つの要因とも話していました。

少人数というごく普通のやり方が成果を出していること、子供たちの考えの中に教育の福祉があり、その考えが良好な関係を築いている、これらがPISA学力テストの結果につながっていると思いました。教育の福祉の考えが乏しい日本では、MAPのような取り組みで学びを作っていくことが有効だと私も思いました。

PS、2月のフィンランドは、バルト海の海も凍って、海の上を歩くことが出来るくらい寒かったです。

312 / 825 ツリー ←次へ | 前へ→
  新規投稿 ┃ツリー表示 ┃一覧表示 ┃トピック表示 ┃検索 ┃設定 ┃ホーム  
ページ:  ┃  記事番号:   
(SS)C-BOARD v3.8(とほほ改ver2.1) is Free