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研修センターに行きました

 2000年7月28日(金),宮城県教育研修センターの地学研究室に,伊藤芳春先生を訪ねて行きました。古川第一小学校の早坂先生が総合的な学習の時間手作り顕微鏡を子どもたちに作らせることになって,その相談について行ったのですが,その手作り顕微鏡の他にもいろいろおもしろい装置を見せていただいたので,ここに簡単に紹介します。


1.虫眼鏡を使った手作り顕微鏡

 まずは手作り顕微鏡です。古川第一小学校の早坂先生のクラスでは,総合的な学習の時間で地域の生き物について研究しています。その中で,水中の微生物を自分で作った顕微鏡で観察したいというグループがあり,手作り顕微鏡に挑戦することになりました。下の写真は,伊藤芳春先生が身近な素材で作った手作り顕微鏡です。

手作り顕微鏡全体像 レンズは使い捨てカメラと虫眼鏡

 対物レンズは使い捨てカメラの対物レンズを使用し,厚紙で鏡筒の直径にあわせてマウントします。鏡筒はラップの芯です。接眼レンズは市販の安い虫眼鏡のレンズです。ステージはついていませんが,鏡筒に輪ゴムでL字の金具を取り付けて,ピントが合う位置に調整します。

接眼部のガイド 砂の顕微鏡写真

 接眼部には,光軸と目線を合わせるためのガイドを置きます(左の写真)。そこをのぞくと,右の写真のような像を見ることができます。この写真では,砂粒が映っています。対物レンズのほうに,直径1mm程度の穴をあけた絞りを貼り付けると,像がすごくシャープになりました。かなりしぼっても十分観察できる明るさです。こんなに簡単に手作り顕微鏡が作れるなんて思いもしませんでした。倍率はそれほどでもありませんが,簡単な仕組みなのできっと子どもたちは自分でつくることができるでしょう。自作の顕微鏡でミクロの世界に接するというのは,なかなか刺激的な体験でしょうね。

2.輪ゴム地震計

 次も手作り。輪ゴムを利用した簡易地震計です。コイルの中を不動点の磁石が上下することによって揺れを記録する,電磁式の本格的な地震計です。不動点を作るためのしくみが,輪ゴムというわけです。

輪ゴム地震計全体像 ADコンバーター

 地震によってコイルが上下すると,磁石との位置関係が変わって誘導電流が流れます(この地震計は上下動を記録する)。その電流の強さの程度を写真右上のADコンバーターで0から256までの数値に置き換えて,コンピューターで記録します。先日の新島・神津島近海のM5.1の地震が,この地震計で記録されていました(写真下)。P−S時間もなんとか分かりそうです。

神津島の地震波の記録

3.完全手作り「鉱石」ラジオ

鉱石ラジオ

 これまた手作りの鉱石ラジオです。検波のためにつかうのは,黄鉄鉱や,石英を還元して作ったシリコンです。アンテナとイヤホンの間に,それらの鉱石を入れると何と放送が聞こえるんです。ただの黄鉄鉱でラジオが聞こえたときは感動しました。これぞ「鉱石」ラジオ!アンテナとコイルと黄鉄鉱とイヤホンとアース…たったこれだけで,森総理大臣の所信表明演説がはっきり聞こえましたよ!シンプルでいいですね〜。

★ ★ ★

 この日は他に,ネオジウム磁石とレーザーポインターを使った簡単岩石磁気観察装置も見せてもらいました。ネオジウム磁石を上下に配した棒をぶら下げて,その下に岩石を近づけるとレーザーポインターの赤い光がグググッと移動します。これもなかなか感動ものでした。

 以上,簡単ではありますが,おもちゃ箱のように楽しい地学研究室のレポートを終わります。


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