3月23日(日)に,仙台市富沢にある「地底の森ミュージアム」(仙台市富沢遺跡保存館)に Aldo と二人で行ってきました.
富沢遺跡は,約2万年前(最後の氷河期)の遺跡です.2万年前(旧石器時代)に生きていた人々の生活跡や当時の樹木・動物のフンなどが見つかっています.
この博物館では,実際に発掘された遺跡をそのまま見ることができるほか,厳選された資料を用いて,2万年前の遺跡周辺の環境(気候,植物,動物など)や人々の暮らし(石器のつくりかたや使い方,たき火など)を紹介しています.なぜそういうことが分かるのかという説明が簡潔明瞭になされていて,とても興味深いものでした.ぼくが小中学生のときにこの展示を見たら,きっと考古学者になりたいと思っただろうなあと想像できるくらい,一般の人に分かりやすい説明で楽しめました.なにしろ,博物館嫌いな Aldo が,ぼくよりも一生懸命,長い時間をかけて説明を読んでいたくらいですから!ここはお勧めです.
地下8m(標高約7m)の層準から,2万年前の旧石器時代の生活跡が,樹木群や動物のフンなどとともに発見されました. 博物館に入ると,まずこの地下8mの遺跡へと案内されます. 手摺りにそって歩いていくと,たくさんの樹根,たき火の跡,鹿のフンなどを見ることができます. |
樹木は主に根株や折れた幹で,その多くはトウヒなどの針葉樹です.わずかに広葉樹も混じっています. これらの樹木には,特殊な薬品処理が施してあり,地下水などの影響を受けにくくなっています. |
博物館の断面図です.遺跡の存在する層準は,この地域の地下水面よりも低いため,何もしないと遺跡は水没してしまいます. 水没を防ぐために,建物のまわりには,厚さ80cの止水壁が地下20mまで存在します.下の方は,水を通しにくい地層(不通水層)を利用して,水の侵入を防いでいます |