MAP研究会は,宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。
■ 日 時: | 2010年 6月26日(土) |
■ 場 所: | 国立花山青少年自然の家(冒険の森) |
■ 内 容: | 新たな一歩は「花山」から! |
■ 担 当: | 運営委員 |
■ 報 告: | Sphinx |
■ 参 加 者: | 10名 |
さあ,待ちに待った花山・冒険の森での1日です!
2008年6月に起こった岩手宮城内陸地震で,この花山青少年自然の家も大きな被害を受けました。復旧に丸2年の歳月をかけ,この5月から事業が再開されています。私たちは地震の1週間後に,冒険の森で研修会を予定していました。それも地震で中止を余儀なくされましたが,今日がそのリベンジです!
また,MAP研究会は昨年度10周年を迎え,11月にはホテル白萩で10年を振り返る記念イベントを行いました。今日のこの活動は,新たな10年へのキックオフです。私たちを育ててくれた花山の冒険の森から,MAP研究会の新たな10年が始まります。
自然の家の玄関前に三々五々集まる今日の参加者。みんながそろったところで,冒険の森に移動します。2年ぶりに見る懐かしい風景。ふかふかのウッドチップの感触も含めて,すべてはかつてのまま,そこにありました。
本当は,一つだけ震災前と変わったところがありました。マルチバイントラバースの位置です。以前はキャットウォークやジャイアント・ラダーに対面して作られていたマルチバイントラバースは,キャットウォークに直角な位置に変えられています。でもこれは震災の影響ではなく,キツツキに穴を開けられたからなのです。
いのきからの提案で,始めに岩手宮城内陸地震において,この地で犠牲になった方々に祈りを捧げました。
午前中は9名での活動です。MAP研究会の新たな10年のキックオフ! …にしては参加者が少ないかな。まあそれはさておき,9名のうち2名が初参加の方だったので,まずは自己紹介を行いました。
A4の紙を4等分して,(1)呼ばれたい名前,(2)近況,(3)今日やりたいこと,(4)花山でのエピソードを書きます。それをみんなに見せながら,互いに自己紹介をしました。
真ん中の写真に写っている ひで は教育学を学ぶ大学生。高校生の時に,かつてMAP事業の一つとして行われていた「中高生フォーラム」という2泊3日のリーダー研修会に2年連続で参加しました。その時にMAPと出会ったことで,教育学を志すことを決めたそうです。うれしいな〜。
【頭星人・おしり星人】あらため【頭星人・まごころ星人・運動星人】です。「頭と心と運動能力の中で,自分が一番よくなりたいところは?」と投げ掛けて3つの中から選んでもらいます。「おしり星人」では気持ちが引いてしまう児童が多いということで,こどもたちがもっと参加しやすいようにと,いのきがアレンジしました。
最初にどの星人になるかを決めたら,頭星人は頭を,まごころ星人は胸を,運動星人は腿をおさえて,その状態で鬼ごっこ開始です。別な星人にタッチされたら,自分もその星人に変身! 例えば頭星人が運動星人にタッチされたら,おさえる場所を頭から腿に変えて運動星人になります。自分の星人が増えるようにがんばりましょう。手が固定されていてぶつかると危ないので,歩く速さで行います。
安全のために,バンパーの使い方と歩く速さを確認します。バンパーは両手を前に,歩く速さはスピード1(超スロー),スピード2(歩く速さで),スピード3(早足で)。1人だけ遠くにいってしまうことのないように,ラバーベースなどでエリアをつくって行いましょう。
2人組になって,片方が鬼,もう片方が逃げる方です。2人だけでやると意味が分からないですが,集団で行うと,他のペアを利用して逃げ回ることができたりして面白いです。手のバンパーをつけ,エリアは人数に対してやや狭いくらいで。
ある程度狭いエリアで相手を1人決めて,その相手と鬼ごっこをするペア・タグの発展型です。追う方も追われる方も,片目に手を丸めたスコープをつけ,もう片方は閉じます。視野がとても狭くなるので,混雑している場所をうまく使うと,相手の視界から見事に消えることができます。スコープにしていない手はバンパー,移動は超スローで。
イマが紹介してくれた,ネーム・タグ,なかなか面白かったです。エリアを決めて行う鬼ごっこで鬼は1人,他は逃げる人。鬼に捕まりそうになったときに,誰か他の人の名前を叫ぶと,その瞬間に呼ばれた人が鬼になります。一緒に逃げていたはずの隣人が突然鬼になったり,自分が鬼になってしまったり…。鬼になるのもぜんぜん嫌ではありません。両手はバンパー,スピードは2。
写真がないのが残念ですが,MBOじゃんけんは巨人・妖精・魔女の別バージョンです。巨人・妖精・魔女では子どもたちには勝ち負けの関係が分かりにくいということで,これまたいのきがアレンジしました。
MBOのMはモンスター,Bが武士,Oがおばあさんです。モンスターは武士に切られ,武士はおばあさんに叱られ,おばあさんはモンスターに食べられる。ゼスチャーはモンスターが両手を上に,武士は刀を抜いて切る,おばあさんは杖をつく。2つのグループに分かれて2列にならんで対面し,合図に合わせて3つのどれかになりきります。何になるかは事前に各グループで相談して決めておきます。負けたら逃げ,勝ったら追いかける。安全地帯に行く前に捕まったら相手チームに寝返ってしまいます。
休憩をはさんで午前中最後の活動はローエレメントから一つということで,TPシャッフルに決めました。
全員が1本の丸太に登ります。そして丸太から落ちないように,呼ばれたい名前の五十音順に並び替えます。
周囲の安全確認など,ファシリテートの基本から,みんなで確認し合って進めました。このアクティビティを,2泊3日の野外活動で取り入れている小学校も多いようです。今までの経験を共有しながら,この活動を入れるとしたらどんな目標設定で,どんなねらいのもとに行うべきか,初夏らしいさわやかな木もれ日の中,話がはずみました。
さあ,あっと言う間にお昼の時間。花山での楽しみの一つが,この昼食です。レストランに行ってみると,これまた震災前と変わらぬ雰囲気で迎えてくれました。もちろん味もgood!
お昼にショウが加わり10名になりました。午後の活動は,マルチバイントラバース。ぶら下がるロープを頼りに,空中に張られたワイヤーを2人で歩いて行くアクティビティです。今から10年前,源流の森で見たときには怖くてまったくやる気が出ませんでしたが,今日はなんだかできそうな気分♪
ハーネスをつけて,ロープに輪を作ります。これらをしっかりやらないと事故になります。何度やってもなかなか頭に入らなくて毎回苦労しますが,互いに確認し合いながら,しっかり安全を確保します。
ロープを空中の滑車に通し,チャレンジする人と,ビレイする人がそれぞれロープを装着します。ここまでくると,だんだん緊張してきますね。
用意ができたら,ハーネスを正しく装着しているか,ロープが正しく装着されているかなど,互いに安全確認をして,チャレンジ開始です!
一番怖いのは,支柱を登ってロープに足をかけるところまで。2人で協力して進むこともあり,ワイヤーの上を歩き出してしまうと,不思議に恐怖は感じません。まあ,震災前とワイヤーの場所が変わって距離が短くなっているのも,理由の一つだと思いますが。源流の森では怖くてできなかった私も,ちゃんと渡りきることができました!
参加者が一通り体験していると,もうあっと言う間に終わりの時間です。使った道具類を片付けて,今日1日学びを与えてくれた冒険の森に感謝して,1日の研修が終わりました。
さあ,MAP研究会の新しい10年が始まりました。今までの10年で蓄えてきたことを,これからどんどん活用して,学校をよりよい学びの場にしていきましょう。