MAP研究会は,宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。
■ 日 時: | 2008年10月18日(土) |
■ 場 所: | 宮城県蔵王高等学校 第2体育館 |
■ 内 容: | プロジェクトアドベンチャー ハイエレメント体験会 忘れていませんか? ハイエレメント! |
■ 担 当: | 企画委員,運営委員 |
■ 報 告: | Sphinx |
13名 |
蔵王連峰がはっきり望める,気持ちのよい青空の広がった1日。蔵王高校の第2体育館で,PAJからはるみちゃんとてつをお招きしてハイエレメントを含むアクティビティ研修を行いました。今回は初参加の方が4人もいて,フレッシュな顔ぶれとなりました。
基本に立ち返って,キャッチから。何度もやっていますが,必ず笑ってしまうし盛り上がる。不思議だな〜と思います。
最初は,指示通りに動くバージョン。続いて,指示と逆に動くバージョン。はるみちゃんの指示が次第に早くなっていくと,緊迫感が急上昇!
サークルになった状態から,5カウント数える間に2人組になって,互いに自己紹介をします。適当なタイミングで次のカウントダウンが始まるので,別な人とペアになって,また自己紹介をします。同じ人とはペアにならないようにしながら,同じ活動を繰り返します。参加者が奇数だと必ず一人があまるので,その人がカウンターになります。
手遊び系。2人組になって手を互い違いに重ね合わせます(くっつかない程度)。「はい」で一番下の手を上に。「いは」で一番上の手を下に。「どん」で一番下の手で上から相手の手をたたきます。 ファシリテーターのかけ声は,「はい,はい,はい,いは,はい,はい,いは,いは,はい,いは,どん!」というかんじ。上だっけ,下だっけとわけが分からなくなってきた頃に「どん!」と言われると,とてもヘンな動きになってしまいます。その混乱が楽しいアクティビティ。私は初めてやりましたが,自分のネタ帳に書くぞ!
参加者それぞれが心の中で,自分を狙うスナイパーと,自分を守ってくれるSPを決めます。「よういどん」でスナイパーに狙われないように,スナイパーとSPの延長線上に自分がいるように動きます。みんな勝手にスナイパーとSPを決めて動き回るので,それに連動して自分もたくさん動かなければなりません。体育館中を走り回るアクティビティです。
次に,自分がSPになって,心の中でスナイパーと自分が守る相手を決めます。自分はSPとしてそれら二人の間に割ってはいるように常に動き回ります。今度はみんながどんどん寄ってきて押し合いへし合いになります。
最初は普通のペアタグ。2人組になって鬼と逃げる方を決め,他のグループを上手く障害物として利用しながら鬼ごっこをします。
次に別なペアをつくり,「鬼は左にしか曲がれない」「逃げる方は右にしか曲がれない」というルールで2回戦目。これはけっこう頭を使うが,鬼のときに相手を狙ったところに追い込めたときはうれしかった!
おなじみのウインドミル・ストレッチ。つい「あ〜〜っ」という声が漏れてしまいますね。日頃の運動不足がこういうところにも出るようです。
これもお馴染み。8人で輪になり,最初のトライは25秒。20秒以内という目標設定をして,2回目のトライはなんと26秒。かえって遅くなりました。でも集中した3回目で17秒。見事目標達成。「集中」は今日のキーワードの一つでした。
毛糸玉を用意して,1回戦は「毛糸玉1個を1周させる時間」で,2回目は「毛糸玉4つを2周させる時間」でチャレンジしました。
私は買い物に出ていて途中から見てましたが,「2周」になるだけでずいぶん難しくなるみたいでした。何度か失敗した後,10.05秒で目標達成。
3人ずつ3チームに分かれて,ロブ・ザ・ネストを行いました。
中央のリングのなかに,いろいろなアイテムがいろんな数(今回は種類別に1〜5個で合計19個)用意されています。各チームから1人ずつ順番に出て,アイテムを一つ選んで移動させます—中央または他チームから自分の陣地,自分や他チームの陣地から中央または別な陣地—。各チーム4周するうちに,できるだけ目標とするポイント数に近づけようという活動です。4周終わって全員でロックをかけたら,他チームがその陣地から取ったりその陣地に置いたりすることはできません。
2回やりましたが,2回とも,ピッタリ賞のチームが1つずつありました。偶然に支配されているようでいて,実はけっこう作戦が効いてくるアクティビティだと感じました。今回は3人1チームでしたが,4〜5人いるともっと面白いそうです。小学生の足し算の学習にもいいかもしれません!
午前の仕上げは,ローエレメントのニトロ・クロッシングでした。体育館のフロアにスタート台とゴールの台を置き,まずはゴールの台に全員で乗ってみて,ロープにもぶら下がってみます。感触をつかんでから,活動がスタートしました。
「このステージ(ゴールの台)には,次のステージに進むためのボタンがあります。スタート台とこのステージの間は,アドベンチャーの川が流れています。」というファンタジー。はるみちゃんから「アドベンチャーと聞いてどんなイメージですか?」と問いかけられ,ジャングル,滝,…といろんな答えが出ました。「そういうものが,この川に隠されているかも」とはるみちゃんがイメージをどんどん膨らませてくれます。
アドベンチャーの川に触れてしまったら,ロープを握っていても流されてスタート地点に流れ着きます。その際,ゴールの台にいたもう一人も道連れになってしまうというのが,第1ステージのルールでした。
第1ステージは多少のアクシデントがあって何人か流されましたが,10分ぐらいでクリアしました。そこですかさず,レベルを上げて第2ステージへ。第2ステージではスタート台とゴールの台の位置が変わり,ロープの動線からかなりずれた配置になっていました。その状態で,スタート台からゴールの台に到達するには,一工夫必要です。今回は「落ちた人だけが流されて戻る」というルールになりました。
それでも順調にことが進み,最後の一人で全員成功と思われたそのとき,受け止めた衝撃でステージの反対側に立っていた2人が落下! 流されて元に戻るというハプニングが起こりました。しかし,それも何とかリカバーして,めでたく12時前に活動が終了しました。
ニトロ・クロッシングについて,「やってみてどうだったかお話しください」という形で振り返りを行いました。
昼食は,蔵王高校の近くにある「まつ川」というお弁当屋さんのお弁当。お値段は250円。皆さん「え?」と聞き返す,驚きの価格です。よっすぃーからのお菓子の差し入れも,一緒にいただきました。
昼食後の時間を利用して,はるみちゃんから「はなやまアドベンチャー留学」の紹介がありました。
実は,はるみちゃんとてつは,前日まで蔵王少年自然の家の野営場で,14人の不登校の中学生とともに2泊3日の合宿を行っていたのです。その翌日がMAP研ということで,たいへんお疲れのところ,1日滞在を延長して,今日の研修のファシリテートをしていただいたというわけです。
3日間の活動プログラムの紹介とともに,はるみちゃんの MacBook Pro で活動風景のスライドショーを見せていただきました。PAのアクティビティで3日間押していくわけではなく,アクティビティを取り混ぜつつ,登山,野外炊飯,テント設営といったごく一般的な野外活動のメニューのなかにも,PAの考え方を忍ばせてシーケンスをつくっているのだそうで,参加者の皆さんはとても興味を引かれたようでした。
いくつか聞いたなかで印象に残った活動を紹介します。
野営場周辺をいくつかのエリアに分けて,チームの数だけの色付きボールを複数置いておく。各チームは,メンバー同士協力しながらボールを探して集める。そのボールをベースに持って帰ると,ボールについている番号に対応したパズルのピースがもらえる。全部探し出すと,パズルが完成!
まずは完成したテントをよく見て覚える。その後,自分たちのテントを協力して立てる。
壁に2つの手のひらをかたどった紙を貼る。左手の中には「3日間どうすごしたいか」,右手の中には「どう接してほしいか」を書く。
食事のメニューを提示し,それぞれどのメニューをつくりたいか立候補。誰もいないメニューが出たら(炊飯など),「どうする?」と生徒たちに投げかける。
なお,こちらに昨年度の報告書がPDFで掲載されています。
平成19年度企画事業「はなやまアドベンチャー留学」(不登校児童・生徒対応事業)報告書 http://jigyo.niye.go.jp/KIKAKU/jigyoguid/item1301.jsp?SYSTEM_JIGYOU_NO=00000160
午後はハイエレメントを二つ行いました。当初は「パンパ−ポール」をする予定でしたが,残念ながら参加人数がちょっと足りませんでした。
カーゴネットは大きなネットをひたすら上に登っていくハイエレメントです。チームビレイ(4人で協力するビレー)で支えてもらって,5人の参加者が一人ずつチャレンジしました。
出発前に,ハーネスが正しく装着されているか,カラビナの向きは合っているか,ビレイヤーとチャレンジャーが互いにチェックします。
はじめるときのコマンドは次のように…
チャレンジャー:準備はいいですか?
ビレイヤー:いいです。
チャレンジャー:登ります!
ビレイヤー:グッドラック!
必ず2往復の確認コマンドを掛け合って,チャレンジ開始です。それぞれ自分のペースで登っていき,満足したところでビレイヤーに降ろしてもらいました。登った皆さんの一致した感想は「腕が疲れる〜〜〜」。
次にジャイアントラダーを行いました。はしごの段と段の落差が1m以上もある縄ばしごを2人で協力して登っていくハイエレメントです。力の入るアクティビティで3段目に上がる頃にはチャレンジャーの顔には玉のような吹き出します。見ている方にも知らないうちに力が入り,はっと気づくとビレイロープをきつく握りしめて手がガチガチになっていることもしばしばでした。
最初のチームは同じ小学校から来た2人。日頃のチームワークを生かして遠慮のない掛け合い漫才(?)をしながらも,しっかり協力して納得の高さへ。
次のチームは今日初めて組んだペアでしたが,二人の呼吸を合わせながらじっくり取り組んで目標を達成しました。
ジャイアントラダーは,カーゴネットよりも1回のチャレンジに時間がかかります。1回目が15分程度,2回目は25分ぐらいかかりました。
最後にふり帰りを行いました。その中で,「二人のチームワーク」「踏ん切る」という言葉が印象に残りました。また,この活動から,自分の日常を振り返っている参加者の方も多くいました。
活動を終え,カーゴネットとジャイアントラダーを片付けました。
最後の最後に,ミロからいただいた大きなロールケーキの差し入れを食べて,おなかのほうも納得! 差し入れをしてくれたよっすぃ,ミロ,ごちそうさまでした!