トップページへのリンク 2007年度 第5回研修会活動報告(1月)

MAP研究会は,宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。

■ 日   時: 2008年 1月26日(土)
■ 場   所: 宮城県立拓桃養護学校
■ 内   容: MAP研究会の今後〜10周年イベントに向けてとその後〜
■ 報   告: Sphinx
■ 参 加 者: 8名

ホワイトボードと共に

1月の研修会は,当初「今の時期 使える道具を 整備しよう〜まとめの時期・出会いの時期に使えるアクティビティ特集〜」と題して,アクティビティ中心の活動を行う予定でしたが,参加者の顔ぶれを見て内容を変更し,「MAP研究会の今後〜10周年イベントに向けてとその後〜」という話し合いにしました。

平成21年度(再来年度)は,MAP研究会にとって10周年となる節目の年です。その節目の年のMAPミーティングをどのように行うか。そして,そこに向けてどのような活動を行っていくか。平成20年度(来年度)の活動計画を作成する時期に,具体的に話を進めていく必要があったのです。

今日1日の話し合いの中から形が見えてきたことは,次の2点です。

もちろん,これは決定事項ではなく,ひとつの案でしかありません。ただ,この方向性でさらに検討を加えて,来年度の総会にはもっと具体的な形で提案していく予定です。この件についてご意見,ご質問がある場合は,ぜひお寄せください。(そして来年度の総会に参加してください ^_^ )

午前の話し合い

話し合いの背景…MAP研究会は変革の時を迎えた!

まずはじめに,8年目を終えようとしているMAP研究会が置かれている現状ついて,いろんな角度から話をしました。

MAP研究会が置かれているこのような状況の中で一番の問題は,近い将来,MAP事業が終わってしまうことが予想されるということです。今までMAP研究会は,県のMAP事業と車の両輪のような関係で,お互いに支え合って進んできました。その一方の車輪がなくなることで,いろいろ活動に影響が出てくることが懸念されるわけです。中でも心配なのは財政面です。MAP事業は,今すぐになくなるというわけではありませんが,今後はMAP研究会として自主的な財源を確保して,財政的にも自立する方向に進まざるを得ないという状況です。このような状況の中,話し合いでは,MAP研究会は大きな変革の時期を迎えているという認識で一致しました。

MAP研究会はどうかわっていくのか

話し合い風景

MAP研究会が大きく変わる必要に迫られているとしたら,次の問題は,いつ,どんな姿に変わっていくのかということです。

「いつ」ということについては,間近に迫っている「10周年」が,やはりチャンスだという話になりました。10周年記念イベントでMAP研究会のこれまでを振り返り,そこを次への出発点として新しい姿で生まれ変わる。つまり,10周年記念イベントを,MAP研の過去と未来をつなぐ架け橋にしていくというイメージです。

では次に「どんなふうに」変わるのか。これは今後のメンバーの気持ち次第です。2006年12月の研修で田中裕幸さんからいただいた「MAP研究会のミッションとポジションを明らかに」というキーワードを手がかりにして,これからメンバーでいろんな機会を捉えて話し合っていく必要があるでしょう。

ただ,一つはっきりしていることは,財政面で自立していかなければならないということです。そうなると,今よりずっと少ない金額で会を運営していくか,会費を大幅に値上げをするということになります。現在のMAP研がかかえている問題の中に,特定のメンバー(事務局や専門部のチーフ)に責任が偏っているという仕事の割り振りの問題と,活動実態のない多数会員の存在があるわけですが,例えば活動費を年額1万円程度に値上げすることで,財源を確保すると共に,活動実態のない会員が減り,案内状の配布にかかる事務局の労力や経費を減らすことができるかもしれません。さらに,メーリングリストへの参加を義務づけると,連絡はメーリングリストとウェブサイトでできるようになり,事務局や研修会の担当者の労力と郵送費用がかなり軽減される可能性があります。

また,見方を変えれば,自立していくということは,自分たちの興味のあることを,自分たちのペースでやっていくという自由を手に入れることかもしれません。研修会も,毎月1回ということにこだわらなくてもいい。ただし,ミッションということを考えたときに,内向きに小さく研修していくという方向性ではなく,自由に活動しつつも,それを外部に向けて積極的に伝えていくべきではないか,という意見も出ました。

10周年記念イベントに向けた来年度の活動は…(前半)

ここで将来構想の話に一区切りつけて,お昼まで残された時間で10周年イベントに向けての計画に話を移していきました。

話のたたき台としては,10周年イベントに向けて会員の共同研究を行っていくという案が出されました。来年度は5回程度の日程が研修会として確保できるという話なので,そのうち2回を体験会とし,残り3回で共同研究をまとめていくというものです。

共同研究のイメージが話し合いの中でなかなか見えてこなかったのですが,例えば次のようにいくつかのテーマを設けて,各会員の興味に応じてどれかのテーマに所属してもらい,みんなで研究していくのはどうかという案が出ました。(この案は,午後にもっと具体的な方向性で修正されていきます)

また,共同「研究」というと重たい響きがあるので,すでに存在している事例やデータを活用しながら事例集をつくるぐらいがいいのでは?という話も出ました。

さらに,10周年イベントに向けてどのような体制で取り組んでいくかということも検討しました。理想的には,今までの研修を担当するセクション,10周年イベントの企画を担当するセクション,そして共同研究を進めていくセクションというかんじで役割分担できればいいのですが,現実問題としてそれだけの人数を確保するのは難しいですね。そうはいっても,10周年イベントの実行委員会というのはつくらなければいけません。その実行委員会は来年度早々には立ち上げて,来年度のMAPミーティングは「10周年プレイベント」という位置づけで,10周年イベント実行委員会が担当していくことにしてはいかがでしょうか。

昼休み

昼食風景 カフェロシェ

昼食は,拓桃養護学校のすぐそばにあるイタリアンカフェ「カフェロシェ」に,バスタランチを食べに行きました。210ちゃんがよく訪れるお店だそうです。パスタ+スープ・サラダ・デザート・飲み物で1260円(税込み)。雰囲気もよく,料理も美味しかったです。

Google Map

午後の話し合い

10周年記念イベントに向けた来年度の活動は…(後半)

話し合い風景

午後も白熱した話し合いが続きました。いろんな角度からの話し合いが並行して行われましたが,その要点をまとめると次の3点です。

お客さんは誰なのか?

いっきゅうさんの質問に端を発して,MAPミーティングやプレイベントは,誰が参加するのか,発表者は誰を相手に発表するのか,という問題を検討しました。今のMAPミーティングは,特に参加者を限定していませんが,現実として会員向けのものになっています。

共同研究の成果を発表するとしたら,それを聞いてほしい相手は会員だけじゃなくて,例えばMAP研の会員ではない県内指導者の先生方だったり,MAPをあまりご存じない先生だったりいろいろです。会員以外の参加者がいれば,発表もその参加者向けにつくることができます。逆に,いつもの会員に向けてとなると,聞く人がもう知っていることを発表しても…ということで,イベントではなくても機会があるのではないかということになります。

この問題についてすっきりとした答えは出ませんでしたが,10周年イベントは特に参加者を特定しないでMAP研の10年を振り返りつつ,外に向かって必要なことを伝えていくというスタンスでどうだろうという感じで話が終わりました。

何か形になるものを…

共同研究を進める上で,それが最終的にどのような形でまとまるのかのイメージがないと不安で取り組めないので,何か一つの明確な目標に向かっていけるようなしくみがほしいという話もしました。

明確な目標となると,やはり何らかの成果物を作って,10周年イベントではそれを元にして発表していくという形がいいでしょう。成果物は事例集のようなものかもしれないし,別な形でもかまいません。議論の中で,教員初心者向けの本を作ったらどうかというアイディアも出ました。本を作るとなると,原稿を書き出す前に,まずどんな読者を対象にするかを決め,章立てや項立てを考えていく作業が必要になります。その過程で,最終形のイメージを細かく共有することができます。もっとも出版するとなると,自分たちの言いたいことを100%素直に表現することが難しくなるという意見も出ました。本のようなウェブサイトをつくるということにすれば,その辺の難しさも回避できるかもしれません。

また,10周年という時期を考えると,事例集というイベント参加者向けのものをつくるよりは,もっと広く外に発信していく本づくりの方がいいのではないかという考えもありました。

いずれにしても,誰に対してどういう目的で成果を発表していくかをはっきりさせて,研究に取り組まなければいけないと思います。

具体的なテーマに

誰に伝えていくのかという話し合いの中で,効果的に伝えるためには具体的なテーマである必要があるという話になりました。

例えば,今先生方が直面している問題に対して,どういう対処するかを出していく。応用可能な実践例(事例とマニュアルの中間みたいな)を提案する。

それから,教師の主観でみる生徒の変容の着目点をつくるという作業を何人かで行うというのはどうでしょう。田中裕幸さんが言うところの「MAPの観点100」みたいなものです。MAPを用いることで学級がこんなふうに変容する,個人がこんなふうに変容する,というその変容の着目点をリストがあれば,自分の実践を振り返る観点(チェックリスト)にもなるし,MAPを理解する手だての一つにもなります。

MAPのQ&Aがないのかという要望も各所からあるようで,MAPになじみのない方に理解してもらうためにも,自分たちの歩みを振り返るためにも,そういうテーマの研究があってもいいかなという話にもなりました。

そんなこんなで,共同研究の具体的なテーマとして,暫定的につぎのような4本柱を掲げてみることにします。

  1. 今日的課題への処方箋
  2. MAPの観点100
  3. MAPのQ&A
  4. 学力向上とMAP

帰途

終了時間もいい加減に過ぎてしまい,バタバタと片付けて拓桃養護学校を後にしました。外は小雪の舞う天気です。道路の雪に気をつけながら,三々五々帰途につきました。(私の場合,エンジン冷却水の水温警告灯が消える前に家についてしまうのですが)。