「PA指導者講習会氈v

MAP研究会は,(財)カメイ社会教育振興財団
宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。

パンパーポール FVC箱
<パンパーポール><FVC箱>

■日 時:2001年9月21日(金)〜24日(水)(三泊四日)
■場 所:花山少年自然の家(プレイホール及び冒険の小さな森ロープスコース)
■対 象:はなやま冒険教育体験会修了者32名(2グループに分かれて活動)
■指導者:アダム,おいしょ,マスター,すずめ(PAJトレーナー)
■経 費:1名6,500円(食費,シーツクリーニング代,保険代)
■報 告:まんちゃん (masaki-h@sn.myswan.ne.jp

■趣 旨:

「はなやま冒険教育体験」修了者を対象に,PAの理論や技術についてさらに深い理解と,ファシリテーターとして実践・活動していく上で必要な技術・知識の習得をはかり,教育活動に生かすための企画立案に資す。

■ はじめに

 今回の研修会には無理を承知でお願いし,2日目からの途中参加を認めていただきました。1日目の21日(金)は普通の出勤日であり,私の現在の勤務校では出張扱いにはなりません。年休をとって参加しようかという考えも一瞬浮かんだのですが,勤務校でのフルバリューということを考えた時に,やはり年休はとれないと考え,2日目からの途中参加ということになりました。

 参加者32名をアダルトグループとヤンググループの2グループに分けられました。私はアダルトグループに所属しました。平均年齢が30代後半ぐらいで,現場の教諭や社会教育主事が多かったです。ヤンググループは大学生や社会人ボランティアが多く,花山少年自然の家のボランティアさんが多かったようです。

 アダルトグループのファシリテーターはアダム(アメリカのPA本部からPAJにきているトレーナーで,いつも辞書を片手に必死に日本語を猛勉強中)で,それをPAJ社長のおいしょが日本語に訳してブリーフィングするという形をとっていました。ヤングチームのファシリテーターは,おなじみマスターとすずめでした。主に朝の活動や食事のとき,交流会のときは2グループ一緒に活動しました。

■ 1日目の活動

 開講式から始まり,以下のアクティビティで進んだようです。

午前
  • マッピング
  • カテゴリー
  • How do you do
  • ネームバイネーム(自己紹介編)
  • バンプティ・バンプバンプ
  • Zip Zap
  • ミックスジュース
午後
  • Yesゲーム
  • アイビーム
  • ESP 3つの原則
  • サムライ
  • リスクの話
  • 魔法の絨毯
  • セーフティ・サークル
  • クエール・シューター
  • 目標設定について
  • ロブ・ザ・ネスト 目標設定(このグループでの目標)
  • 職業的な目標
  • 個人的な目標の3点を設定)
  • ルックアップ
  • ルックダウン

■ 2日目午前の活動

 私の自宅(古川)から花山まで1時間足らずで到着。ここから私は参加。以下はアクティビティです。

<チェンジ5>

  1. 参加者が二人組になり,まず相手の服装やヘアスタイル等の外見をよく見る。
  2. お互いに背中合わせになり,5ヶ所外見をチェンジする。
  3. どこをチェンジしたかを当てて確認する。
  4. やってみて気づいたことの振り返り。

・道具を必要としないで手軽にできる活動。見ているようで案外見ていない,見落としているということを再確認しました。「どうやってだましてやろうか?」といたずら心が湧いてきたり工夫したりしておもしろかったです。

<ネームバイネーム>

  1. 参加者全員が「○○と食事をしたいまんちゃんです!」というふうにアピールする。
  2. ○○は,現実には一緒に食事のできない有名人や既に亡くなってしまった人,想像上の人でもよい。
  3. 「どうしてその人と食事をしたいか」の理由も添える。

・食事をしたい人として,ウサマビンラディン氏,芸能人の優香さん,冒険家植村直巳氏,ドラえもんなどが挙げられていました。1日遅れて参加した私のためにファシリテーターが配慮してくれたものでしょう。参加者一人一人のキャラクターが分かっておもしろかったです。

・アダルト・チームの参加者名をここで覚えました。
ひめ,ゴン,がっき,もんちゃん,ジーニー,ジャッキー,まっちゃん,和尚,ハリー,ポール,サザン,ガハハ,コーキ,はく,小指,のぶ,ガタ,そしてまんちゃんこと私でした。女性はひめだけで,あとは男性。

<エリミネーター(キラー)>

  1. 参加者がサークルになり後ろで両隣の人と手をつなぐ。
  2. ファシリテーターが参加者に分からないように殺し屋を決め,指名する。
  3. 殺し屋はある自分の好きな数だけ隣の人の手を握る。(たとえば5回とか)
  4. 殺し屋に手を握られた人は,そのまた隣の人の手を1回引いて手を握る(上記のケースだと4回)
  5. 0回になった人は「ダア〜」といって気を失った真似をする。
  6. 他の参加者は,殺し屋が誰かを当てる。

・スリルがありおもしろいゲーム。室内あそびで使える。

<FVC箱>

  1. この研修会における各自のフルバリューコントラクトを短い言葉にして箱にマジックで書く活動。
  2. 活動場所に持ち運ぶ。
  3. 振り返りをした際,各自が得たものを紙に書いて箱の中に入れることができる。

・ロール紙よりも持ち運びが簡単なので,野外での活動で便利。

<王様と海賊>

・平成12年度活動報告・希望者研修会(源流の森)1日目を参照してください。

・活動場所を室内大研修室から見晴らし広場に移し,この活動で少し体があたたまるとともに開放感を感じました。

<ヒューマンコンパス>

  1. ペアになり,1人が目をつぶった状態で指定したもの(目的物)を探すアクティビティ。もう1人(パートナー)はその活動を支えるために安全管理に気を配る役。
  2. パートナーは安全管理以外のことには関わらない。ただし,目をつぶった相手が不安な気持ちになっているような状態の時は,安心させるための声がけはよい。
  3. 振り返りとして,「どうしてうまく目的物を探すことができたのか」と「スポッターとしての感想」を発表し,紙に書いてFVC箱に入れました。

・目的物までの距離が遠い時は歩きモードで進みますが,目的物が近くなってくると地を這うような手探りモードに自然となりました。

■ 2日目午後の活動

<クロス・ザ・ライン>

  1. 向こう岸の10メートルぐらい離れたところにあるロープまで1人ずつ渡るアクティビティ。
  2. その渡り方は,一人一人違う渡り方にする。
  3. 次に2人組で渡り,4人組→8人組→全員で渡るというふうにしていく。
  4. 振り返りの時にアダムより「1人,2人組,4人,8人,全員では何が違うんでしょうか」という質問がありました。

・動物の真似をしながら渡り方,ローラーのように転がっていく渡り方などそれぞれ愉快に渡っていきました。4人組→8人組→全員で渡るというふうにしていくうちにグループとしての一体感を少し感じました。

<ウエル・テッド・アングル>

・「クロス・ザ・ライン」の延長にある活動で,全員がくるぶしをつけて約10メートル先にあるロープの位置まで進むアクティビティ。

<トライアングル・タグ>

  1. 4人一組になる。
  2. 3人が手をつなぎ,3人の真ん中に位置する人が鬼になる。
  3. 鬼を残りの1人がタッチするアクティビティ。

・体があったまる活動。振り返りなどでお尻に根っこが生えてしまった後に行うと効果的。なかなか鬼をタッチすることは容易ではなく私は鬼にタッチできませんでした。

<アイランズ>

  1. 6・7名がやっと乗れる程度の台(=島)が3つと,長短の2枚の板がある。
  2. 板は長い方でも次の島に微妙に届かない長さ。島のまわりは化学物質で汚染されている。
  3. スタート地点の島に全員乗った状態からはじめて,2枚の板を上手につかって3つ目の島へ全員が脱出。
  4. 人はもちろん,2枚の板も「化学物質で汚染された海」についてはいけない。

・振り返りの時のファンタジーとしてアダムは「次にこの島へ行く人のために説明と写真を入れてマニュアルを作ってください」という言い方をしていました。

アイランズニトロ・クロッシング
<アイランズ><ニトロ・クロッシング>

<ニトロ・クロッシング>

・平成12年度活動報告 希望者研修会(源流の森)1日目を参照してください。

<フリッジ・キング>

  1. みんなで輪を作り,中心に鬼役の人がボールをもつ。
  2. 鬼役の人がボールを参加者の誰かに投げたり投げるふりをする。
  3. 鬼役の人の投げるふりにひっかかって手が伸びたり体が動いたりしたら鬼役と交替。また,本当に投げられて受け取れなかった場合も交替。

・エラーを楽しむゲーム。「運動神経のいい人がひっかかるゲームだよ」とBobは動機付けすると1月のMAP研で聞きました。

<座学・Adventure Waveの話>

Adventure Wave
<Adventure Wave>
  • アドベンチャーウエーブについて
  • ファシリテーターとインストラクターの違い
  • ブリーフィングの要素
  • 目標設定とアクティビティがどのようにブレンドされいくのか

■ 3日目午前の活動

<エネルギー・チェック>

<ワムサムサム>

  1. 円陣になって,隣の人と触れ合うぐらいまで近づく。
  2. 下記のように歌いながら踊る。

・このアクティビティにもいろいろなバリエーションがあります。

<スター・ウオーズ>

  1. 参加者が二つのチームに分かれ,それぞれの王様を決める。
  2. たくさんのスポンジをお互いの王様めがけて参加者は投げあう。
  3. 王様に早く当てたほうが勝ち。当てられたほうが負け。
  4. 3までの過程でボールを当てられた参加者はその場で凍ってしまい,動けなくなる。
  5. アクティビティの前に作戦タイムをとってはじめるやり方もある。

・眠かった体と頭がすっかり目覚めるとともにテンションが高くなりました。私のチームは2回とも負けてしまったのでクヤシー!

<ヘリウム・フラフープ>

ヘリウム・フラフープ
<ヘリウム・フラフープ>
  1. 円陣に鳴り,人差し指でフラフープを支える。
  2. 指を離さないようにして床まで落としていく。その途中でフープは上昇してはいけない。

・いつもながらストレスのたまるアクティビティでした。

<モホーク・ウオーク>

・平成12年度活動報告 希望者研修会(源流の森)1日目を参照してください。

・ファンタジーは「化学物質がばらまかれている。この電線を渡って,25分でできるだけ遠くまで離れなければいけない。」というものでした。

・「いつ,どのタイミングがエキサイトしたか」「フルバリューの側面から考えると達成できたことは?」について振り返りを行いました。

■ 3日目午後の活動

ピープル・トウ・ピープル
<ピープル・トウ・ピープル>

<ピープル・トウ・ピープル>

・みなさんご存知の活動。3日目の午後ということもあり,「耳と耳!」などというリクエストが出ても心の安全は確保されていました。

<体験学習サイクルについて>

<インパルス(信長・秀吉・家康)>

・参加者ひめの「難聴児童の協力学級でできる歴史学習に関するPA」のリクエストに応えて,アダムが考えたアクティビティ

  1. 2チームに分かれる。参加者は目をつぶる。
  2. ファシリテーターの合図で参加者がインパルスで最後の人まで伝えていき,速かったほうのチームが回答権を得て歴史の問題に回答できる。
  3. その際,チームのみんなで相談して回答する。当たればポイントを重ね,はずれれば減点ていくもの。

<ロープワーク>

<ビレー・スクール>

<サークルK>

  1. 円陣を組み,自分の立ち位置まで1周ぐるっとまわる。
  2. 前の人の肩に手を置き,1周ぐるっとまわる。
  3. 前の人の肩に手を置き,パタパタ叩きながら1周ぐるっとまわる。
  4. 自分の立ち位置についたら,参加者全員がそれぞれ(今日の活動でよく頑張った人の名前)を一斉に空に向かって叫ぶ。

・(今日の活動でよく頑張った人の名前)を一斉に空に向かって叫ぶ・・・という点が,私にとってははじめてのアクティビティでした。一斉に叫ぶと,結局誰の名前が出て誰の名前が出なかったのか分からないところがミソ。

・アダムがこの場で考えた思いつきのアクティビティでしたが,おもしろかったです。

■ 3日目夜の活動

ウイズ・バンサバトウール
<ウイズ・バン><サバトウール>

<ウイズ・バン>

  1. 円陣に座る。
  2. 「ウイズ」と言ってハエを追っ払うようなアクションで手をふると,隣の人に信号が送られる。
  3. 「バン」と言ってひじを直角に曲げたアクションで腕を振り上げると,逆回りに信号が送られる。
  4. 「ポーン」といってバスケットのシュートのようなアクションをすると対角線上の人に信号が送られる。
  5. 4の「ポーン」という信号を送られた人は「ふ〜っ」といって胸に両手を当てて,その後,信号を送る。
  6. その他,いろいろなアクションを増やしていき,信号を送るコミュニケーション・ゲーム。

<ロープワーク>

<サバトウール>

・サバトウール(無法者)が誰であるかを当てるアクティビティ。(サバトウールは自分が町を支配できるようにするアクティビティ)

  1. サバトウールファシリテーターが参加者の中から1人,サバトウール(無法者)2名を決める。(他の参加者はサバトウールが誰かはこの時点では分からない)
  2. 「夜が来ました」の合図で,みんな目をつぶり頭を垂れて周りが見えないようにする。
  3. 「朝が来ました」の合図で,みんなが起きて,サバトウールは誰かを話し合う。「あの人が怪しい」とか「あいつ,なんかさっきと様子が違う」などと,参加者みんなが疑心暗鬼になったり牽制しあったりして話し合う。
  4. サバトウールが誰であるかを参加者みんなで当てる。
  5. 3をする際,参加者みんなで選挙をする。
  6. 選挙でサバトウールと見なされた人は選挙権を剥奪される。
  7. サバトウールは,「夜」のあいだにチキンをファシリテーターに頼んで,チキンを参加者の誰かの前に置く。前に置かれた参加者の選挙権は剥奪される。
  8. サバトウール(無法者)が過半数を占めるか,市民が2名ともサバトウールを当てるまでゲームは続く。

・アダムによってもたらされた米国直輸入,日本初上陸のアクティビティ。3日目の夜だからこそできたゲーム。上記の説明ではなんだかよく分かりませんよね。うまく文章化できませんでした。ごめんなさい。PAJ社長・おいしょもアダムの言葉をうまく訳していなかった様子。やっていくうちにやり方が分かってきました。このアクティビティが終わって4日目になってもずっと話題に上がっていたほど強烈な印象のアクティビティで,私もすっかり虜になりました。このアクティビティをいつかどこかでやるのが,私の一つの願望になりました。

<チカ・ブーン>

・懇親会の最後にアダムが音頭をとって行った「チカ・ブーン,チカ・ブーン,チカ・ブーン・ブーン」をただ繰り返すだけの単純な踊り。お酒の勢いもあり,みんなハマリました。PAJ社長・おいしょもハマってました。

■ 4日目午前の活動

<シークレット・エージェント>

  1. 参加者の中から自分にとって「安全な人と危険な人」を自分の心の中で決める。(その人には言わない)
  2. 危険な人から離れ,自分と危険な人の間に安全な人が入るように移動する。
  3. スタートの合図で全員が動き,3・4分後,ストップの合図で停止する。
  4. 「自分にとって安全な人は誰だったか」を振り返りの時に活動の感想とともに話す。

<ハッピー・ヒッピー>

・参考書籍「よく効くふれあいゲーム119」掲載「ウインク殺人事件」に似ているゲーム。

  1. ファシリテーターが参加者の中から1人,ヒッピーを決める。(他の参加者はヒッピーが誰かはこの時点では分からない)
  2. ヒッピーはあるサインを参加者の誰かに出す。
  3. サインを受け取った参加者は歌を歌わなければならない。
  4. 参加者はヒッピーからサインを次々と受け取り,次々と歌いだす。
  5. まだサインを受け取っていない参加者は,ヒッピーを当てる。

・

<ハイエレメント体験>

・キャットウオーク,手つなぎトラバース,バンパーポール,巨人の縄梯子など,花山少年自然の家にある各種のハイエレメントを各自がやってみたいものを選んで体験しました。

■ 4日目午後の活動

ホエール・ウオッチングくもの巣くぐり
<ホエール・ウオッチング><くもの巣くぐり>

<ホエール・ウオッチング(ジャイアント・シーソー)>

  1. ジャイアント・シーソーの両端が地面につかないようにバランスを保ちながら参加者が乗っていき,最終的には参加者全員が乗る。

・チャレンジできる回数とタイムを設定して行いました。また板と板の間にこれまで入れられてきたFVC箱の中にある紙をはさんで,今回のワークショップで得たものを意識しながら行いました。

<くもの巣くぐり>

  1. 体がくもの巣のどこにも触れないようにして通過する。
  2. 一度通過した穴や通過に失敗した穴は使えない。

・くもの巣をくぐり抜ける前に参加者が「このワークショップで得たものをみんなに話してから穴を通過すること」にした点がとても参考になりました。

■ おわりに

・ 今回のワークショップ全体を通して,やはり楽しく体験学習を進められたことが何よりでした。PAのアクティビティは理屈ぬきに楽しいと感じるから私でも続けていけるのです。自分が楽しく感じないことは長く続けられないでしょうから。特に今回は,これまでに体験したことのない<ハッピー・ヒッピー>や米国直輸入・日本初上陸の<サバトウール>を味わって,PAアクティビティの奥行きの広さを知って愉快でした。単なるplay fanではないブラック・ジョークというか裏技・禁断のアクティビティを知り,痛快?でした。
・ 上記のことと同時に,今回もまた,フルバリュー・コントラクトとチャレンンジ・バイ・チョイスを行っていくことの難しさを感じました。参加者一人一人との関わり方,また,自分をどの場面でどの程度で出していくかなどいろいろ考えました。アメリカ人のように(?),どんどん積極的に関わっていく,または自分をどんどん出していくのが必ずしも良いわけではないし,そうかと言って,古典的な日本人にように(?)慎み深く奥ゆかしく関わっていくのが必ずしも良いわけではないようです。参加者みんなのことをあまり考慮せず,自分の気持ちのおもむくままガンガンやっていくと,(これでいいんだろうか?これってフルバリューになってる?)と考えるし,グループや参加者一人一人のことをあれこれ考えすぎて自分の気持ちを後回しにしていると,楽しい気分がガーッと下がったり,(自分を出してないじゃないか!)と思ったりと葛藤する場面が何度もありました。たぶんフルバリュー・コントラクト&チャレンンジ・バイ・チョイスに終りはないのでしょう。 そうやって「学び」は進んでいくものなのでしょうか。
ワークショップの最後に歌う
<ワークショップの最後に歌う>

活動報告一覧表に戻る

表紙に戻る