■PAJ主催研修
AP研修会 in 花山(7月)

MAP研究会は,(財)カメイ社会教育振興財団
宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。

■日時:2001年7月27日〜7月31日
■場所:花山少年自然の家
■担当:KATMAN,MASTER,おやじ,ショウ
■報告:ひめ

■ 第1日目(7月27日)

PAは自己変容を促す道具(コミュニケーション・信頼関係を作っていく)
「いつでも,どこでも,自分でいてください」 by KATMAN

●3つの研修会(AP,ABC,AITC)の目的

AP ・道具をどう使うか(=Goalをどうつかむか)
・Goalをつかむための道具について学ぶ
  • 人と人がどう関わっていくか
  • (道具を入れる)引き出しを大きくする
  • 自分と対面していく
  • 遊び的コミュニケーション
  • 心と体の解放
ABC ・グループのプロセスプロセシング=「走りながらのカウンセリング」
  • その場で起こってくることを見る
  • グループをどう見るのか(見えるのか)
  • 個人がグループにどう関わってくるのか
  • そのときに自己開示できるのか
  • 【感情】と【行動】と【認識】を見ていく
AITC ・リーダーシップ・スキル・ワークショップ(APとABCを持ち込んで)
・グループワークをファシリテーター(教師)2人で進める
  • 自分の弱いところを相手の存在で補う(コ・ファシリテーション)
  • 実際に授業を想定して二人組でファシリテーションの練習をする(持ち時間2時間)
  • フィードバックを受ける,する

※3つの講習を通して

●「フルバリューする」=葛藤

・どこに優先順位をつけて,どう判断するか…自分であるために。

●「今,ここに」…一緒にいられる(見られる)ってどういうこと?

・共通体験は結集を生む

●「Adventure」の語源を調べると面白い

ad- :〜へ
venire- :来る
-ure:未来を示す分詞語尾
「ある人に起こらんとすること→異常な出来事→冒険(by ひめ)

・「自分の殻を破ろうよ!!」=冒険

●アクティビティをしながら

☆Safety Circle 〜安全について〜

Safety Circleの図

・フープを通って円の向こう側に行こう

→活動に結びつく

☆Hand Clapping 〜相手を読む

☆Catch 〜今,ここ

☆Name Warp Speed

☆ID Switch 〜情報伝達(3回ぐらいまでが限度)

☆Cocktail Party 〜話題が続くか

☆LR Name Game ( Bumpty Bump Bump Bump )

☆Eye Beam

☆フルバリューのバケツ

○すべてゲームは次の段階へとつなげていく(比喩を使って)

○失敗=「成功ではないやり方を学んだ!」ということ。

☆Whale Watching

☆Rope Work =達成感を味わえる材料(知らないことが知れる)

 ロープで遊ぶという感覚で,「縄抜け」や「犬の散歩」などいろいろやってみた。そういうアクティビティをとおして,あるいはいろんな種類の結び方ができたとき,「できた!」という達成感が味わえる。

○アドベンチャーの要素

これらをちりばめるとアドベンチャーのプログラムができあがる。

○間違うことはとても大切

 いつも正しいことが一発でできると,なぜ間違うのか,間違っているのを指摘できない。間違いを直せなくなる。(ロープワークの時は,わざと正しくない結び方もやってみた)

○Safety についての目を養う〜人を見る目にもつながっていく

■ 第2日目(7月28日)

●アクティビティをとおして

☆Quick Line-up 〜「今,ここに関わっている」

☆Shake Hands

●目標設定のしかたは?(リーダーシップのしかたを学ぶと出てくる)

・SMART GOAL

・目標を自己管理・自己評価できるようにするのがPA
・ポートフォリオ評価(学習を積み重ねる)

●PAでやっている「意識転換」

・どういうビジョンがあるか?

●Goal Monitering Partner

・自分の目標を達成するために,周りの人にどんな協力をしてほしいのか?

→「こうしたらいいよ」ではなく,いろいろと試していく中で学んでいく。

●思考の限界,ものの見方の枠

・知らないうちにつくっている→その枠を越える
・たとえば…

「この部屋の中に赤いものはいくつある?」
 …時間の経過…
「じゃあ黄色いものは?」

→答えられない

  1. まずたいていの人は座ったまま数えていた(=今いる地点だけからものを見ている)
  2. 赤だけに注意が集中していて,そのほかの色は見えていなかった
A(Affection)…感情
 → B(Behavior)…行動
   → C(Common Sense)…認識

・ABCに対してどこで対応しているか?→メタ認知

 このときの自分はこういう感情だったからこういう行動をとった、その結果こういうことが分かった…と自分のことを客観的に分析してみることによって、学びが深くなる。非日常で出来たこと・気付いたことは、日常に戻ってからも生きてくる。

●フルバリュー:関係のしかたの目標をつくっていこう

 例えば「C-zone」を広げたいという目標を設定したら,広げるために何が必要か考える。本当に自分が目指していることに関連すること。そして「夢」と目標を混同しないこと。

★ビーイング

 肯定的なことばで書く。例えば「うそをつかない」という書き方は「うそ」に焦点が当たっている。肯定的に書くならば「正直に」。

●アクティビティをとおして

☆Stop and Go 〜よく聞いて判断するテスト

☆Story Line Strech 〜自分たちでストーリーをつくってストレッチをする

☆Pairs Tag

☆地球防衛軍〜アマゾンを救え〜をやってみて

☆Nitro Crossing をしてみて

☆Trust Sequence 〜2人組,3人組,柳に風

●1日の振り返り

○今日のテーマは「グループをつくる」

・たくさん Warm up をした→気持ちが近づくことをねらった。

○フルバリューについて書いたこと(ビーイング)が実行できたか?

○フルバリューについて(ABC版)

 フルバリュー・コントラクトは,グループの各メンバーがこれから経験するグループ活動において,何をしたいのか,どうなことに気をつけて参加しようとするのかなどを表現する(声で,あるいは文字で)ものであり,通常,本格的な活動に取り組む前に行っておく。フルバリュー・コントラクトは,グループ活動を通して学習者が互いに学び合い,個人とグループの目標を達成していこうとする上で,その学びを活性化する非常に効果的な方法である。

 フルバリュー・コントラクトを行う目的は,活動に参加する各自が,

  1. どのようなことや領域を探求したいのか。
  2. 自分自身の中で変えてみたい行動・態度はあるのか。
  3. どのような新しいスキルを身につけたいのか。
などを見いだすきっかけを作ることである。

 フルバリュー・コントラクトは,メンバー個人がグループのことについて,そして自分自身の役割や行動について考えてもらう機会を持つことであり,グループで互いのあり方,関わり方などの約束事を決めていくプロセスである。その中味としては,活動に当たってグループやリーダーに望まれているルールや特定の行動,姿勢などが盛り込まれる。

 フルバリュー・コントラクトが求めるコミットメント(約束)は,

1)グループ活動をする上で決定され,共有された,個人とグループの目標を達成するために,互いに力を合わせて努力することに同意すること。

2)グループによって決められた安全についての事柄や行動指針についての同意すること。

 これらはメンバー全員によって話され,同意されたものでなければ意味をなさない。また,従来のやり方,例えばリーダーや他者からルールとして押しつけられたものではなく,グループをつくっていくメンバー各自が自発的に参加をしてつくっていく約束であり,それまでに至るプロセスが大切である。

3)互いに正直なフィードバックを与え,そして受け入れることに同意する。

 メンバーは個人の行為や態度がグループの目指している方向に適していないと思った場合,それに対してきちんと向き合い,開示することに同意する。そして同様に,個人間でも向き合えることが大切である。ここで言う「向き合う・開示」というのは,「互いに自分と他者のコミュニケーションを大切にしながら成長する」ということを念頭に置いた上で,建設的なフィードバックを提供しあうという意味であり,批判ではない。
 このフィードバック・プロセスは,グループに属する個人個人の存在価値を認めて,メンバー全員がオープンで正直なフィードバックをすること,または受ける権利と責任を持っていることに大きな意味がある。この行為を躊躇したり,あるいは受け入れることを拒むなどの行為をすることは,自分自身とグループにいる他のメンバーを認めていないことを意味する。

4)他者に対して,そして自分に対して,見下したり無視する行為に対しての気づきを高める。これらの行為や態度に気づいた場合には,よりよい方向に改めるように開示することに同意する。

 フルバリュー・コントラクトにおいて,ここで言われる開示・向き合うことは重要な学びと成長の要素だ。そして,私たちは個人およびグループの一員として,オープンに責任を持って開示することを学ぶ。開示は個々人が自分自身の行動・態度を見つめ直す機会であり,言っていることと行っていることの差,または自分に対してや他者に対して正直であるかを見つめることである。

○チャレンジ・バイ・チョイスについて
  • チャレンジ・バイ・チョイスとは,難しくて恐いと感じるチャレンジに対して,気遣われ,思われ,援助されている雰囲気の中で,自分自身の判断と意思で試せるチャレンジを持つこと,また,提供すること。
  • 自分の能力に対して不安やプレッシャーが募って出来そうもないと思うときには,そのチャレンジをやめることができる。時間がたって自分自身ができると確信したときに,再度挑戦する機会がある。
  • 困難なことに向かっているとき,試みることが,行った結果よりも重要であることを認める(=トライすることから学ぶ)。
  • 個人の持つ考えや選択を尊重すること。

○フルバリューすること=無条件の愛

■ 第3日目(7月29日)

●アクティビティをとおして

・アクティビティの構成順序(シーケンス)をよくよく考える

☆気分の彫刻

☆Relaxation

☆Pair Catch

☆東西南北

東西南北の図

・風の神様の動きに合わせて並ぶ

☆モホーク・ウォークをして

●振り返り

・「フィードバック」と「フィードアタック」の違いに気をつける。フィードアタックからはいいものは何も生まれない。

●夜の部…ビレイの練習

■ 第4日目(7月30日)

●アクティビティをとおして

☆りんごの皮むき〜人の動きを見て

☆Hand In Hand

☆Body Scanning

☆PNF Stretch 〜 Proprioceptive Neuromuscular Facilitation

●夜の部

○心に留まることば(KATMAN)

・学習の10原則(Carl Rogers)

  1. 人間は生まれながらにして学ぶ力を持っている。
  2. 重要な意味のある学習が行われるのは,生徒が,そのテーマは自分の目的に関係があると感じるときである。
  3. 自分について見方が変わるような学習は,自分を脅かすものであり,抵抗される傾向がある。
  4. 自分を脅かすような学習は,外部からの脅威が最も少ないときに知覚され,吸収されやすくなる。
  5. 自分があまり脅かされないときには,経験はそのまま知覚され,分化され,学習が進展する。
  6. 多くの重要な,意味のある学習は,なすことによって習得される。
  7. 生徒が責任を持って学習過程に参加するとき,学習は促進される。
  8. 全人格を含む知性だけでなく感情を含む自発的学習は,最も長続きしやすく深いものになる。
  9. 他人からの評価より,むしろ自己批判と自己評価に重きを置くときには,独立性や創造性や自己信頼感がすべて促進される。
  10. 現代の世界において最も社会的に役立つ学習は,学習のしかたを学び自分が絶えず変化していくことだ。

○Q&A

・PAに競争を取り入れてもいいのか?

○アクティビティの構成順序(シーケンス)が大切

○体験学習サイクル

【目標】GOAL
 |
【活動】Activity  ←−−−−−−−−+
・体験しました            ↑
 ↓                 |
【振り返り】What            |
・何を体験したんでしょう?      |
・その体験はなんだんったんでしょう? |
・どういう意味ですか?        |
 ↓                 |
【一般概念化】So What         |
・それはどういう意味なんでしょう?  |
 ↓                 |
【適用・再思考】Now What       |
・じゃあそれをどうするんですか?   |
・それはどう使えるの?        |
 ↓                 |
 +−−−−−【活動】に戻る−−−−→+

・体験学習の特徴は【振り返り】にある。体験学習では,目標を達成したかしないかという結果よりも,どう達成されたかという過程に意味があり,その過程について考えるのが振り返り。

・きちんと説明をしてから「さあ,やってみましょう」というのは,他者から与えられた学習であり,体験学習とは言えない。体験学習は,自分で目標を設定して取り組んでいくもの(自立学習)である。

・PAは,体験学習サイクルがまわっていく過程(=学びのプロセス)に焦点を当てている。目標を達成した・しないではなく,どう達成されるか(どういう経過を経てそこに到達したか)を見たい。

■ 第5日目(7月31日)

●大脱走


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