MAP研究会は,宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。
MAPの概要<体験会・講習での伝達用資料サンプル> |
ダウンロード用ファイル |
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補足説明 |
<ダウンロード方法>
<使用にあたって>
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参考資料:Sphinx用台本 |
※Sphinxが先日,スクールカウンセラーの連絡会で使った資料をもとにして,プレゼンの台本サンプルをつくりました。 ▼はじめに皆さん,こんにちは。蔵王高校の山口です。 皆さん,午前中に仕事をしてから来られたと思いますが,私も朝のから厚化粧の生徒の化粧落としをして,さらに授業を二コマこなして来たので,もう始まる前から疲れぎみですが,この話で今日の日程は終わりですので,お互いがんばりましょう。 今日はMAPの概要を説明するということで,先生方の貴重な時間を20分間いただくことになりました。短い時間ですが,MAPのエッセンスを簡潔にお伝えできればと思います。 ▼MAPの概要ではこれから,MAPの概要をおはなしします。 表紙【学習とは】:これは学習の定義です。学習というのは「行動」の変容なんですね。私はときどきこれを思い出して「自分の授業や指導で生徒は「行動の変容」をしているんだろうか?」と振り返ることにしています。 ▼MAPってなんだろう…MAP=みやぎアドベンチャープログラムの頭文字です。MAPの特徴を4点にまとめてみました。
▼【アクティビティ】三人の家の説明と自己紹介タイムこれからある実験をしてみます。先生方にちょっと協力していただきたいのですが,よろしいでしょうか。ひとつの机が1グループになります。 これからグループで協力して活動していただきますので,その前にグループ内でご挨拶の時間をとりましょう。名前と所属など紹介しあってください。 ▼【アクティビティ】三人の家紙と一本のペンを用意します。1本のペンを3人でもってください。1枚の紙に,3人で一軒の家を描いてください。時間は2分間です。ただし,ひとつ約束があります。互いにひと言もしゃべらずに行うこと。身振り手振りもなしです。質問は?ではどうぞ。 はい,終わり。いかがでしたか?私からいくつか質問しますので,口に出さなくていいので心の中で答えを考えてみてください。
以上で実験終了です。ご協力ありがとうございました。 ▼体験学習法とは…学校行事など,体験をともなう学習を「体験学習」と言ったりしますが,体験して「あー楽しかった」で終わってしまうものが多いです。楽しいことを体験するだけで終わっているものを,私たちは「体験だけ学習」と言ったりします。 それに対し,体験して,それを振り返り,次の行動に活かすという循環がまわっている学習を,体験型学習といいます。そしてこの,PLAN → DO → LOOK → THINK というサイクルのことを,体験学習サイクルと呼んでいます。 ▼体験をとおした学びでは,実際の指導場面で,体験学習サイクルをどうまわしていくかということを,ひとつの例をあげて説明します。例えば,部活動でチームワークの問題が発生したとします。顧問が観察したところ,その原因は,相互のコミュニケーション不足だったとしましょう。その時に,どんなアプローチをしていくか,二つの場合を考えてみます。 まず,方法1:ミーティングを開いて「おまえたち,コミュニケーションが全然不足しているよ〜!もっと互いに話をしなくちゃダメだ!」と,顧問が答えを与えてしまう場合。こうすると,生徒は答えを「知る」ことになりますが,さて,行動の変容はどうでしょう。 一方,方法2:ミーティングを開くところまでは一緒ですが,「チームワークについて考えてみたいんだけど…」とか言いながら,先ほど行った「二人の家」をやってみる。あれをやると,コミュニケーションについて,いろんなことを気付かされますよね。その後に,感想を話し合ってチームワークについて考えてみる。この場合,生徒たちは答えを「獲得」するでしょう。さて,行動の変容は,先ほどと比べてどちらが期待できるでしょう。 ▼グループにおける人間関係今,多くの生徒が,人間関係で問題を抱えています。人間関係について考える視点はいくつもありますが,私は例えばこんな感じでグループについて考えることが多いです。
こういうことを体験しながら,互いの信頼関係とはどんなものなのかに気付いていくのではないかと思います。MAPは,これをグループワークの中で体を動かして学んでいくプログラムです。 ▼いくつもの冒険活動MAPには,先ほど説明したような学びを達成させるために,アクティビティといわれる活動がたくさん用意されています。アクティビティにはそれぞれねらいがあって,「知り合う・楽しむ」活動,「ちょっと恥ずかしいことをする」活動,「コミュニケーションを高めるための」活動,「意思決定・課題解決のための」活動「信頼関係を強める」活動などで構成されます。 学校でよく行われるのは,体育館や教室でちょっとした小道具をつかう活動ですね。例えば,輪になって毛糸玉を投げ合ったり,フラフープをみんなで協力してくぐったり。でも,実はMAPのアクティビティは体育館で行うものだけではないのです。グループの信頼関係が高まったら,よりハイリスクのチャレンジへ進みます。それがローエレメントやハイエレメントと呼ばれるアクティビティです。 (それぞれの写真の説明) ハイエレメント
※このハイエレメントの話の中で,日常生活との関連について触れておく。 『清水の舞台から飛び降りる』という言葉がありますが,こうやって仲間に支えられながら,大きなチャレンジをするという体験,日常生活の中にもときどきありませんか?MAPでは,冒険活動を通して体験したことを,常に日常生活に戻すという視点を忘れません。 ▼理論的背景:プロジェクト・アドベンチャーMAPは,Project Adventureというプログラムを,理論的背景として持っています。Project Adventureは,今から30年ぐらい前からアメリカで行われている教育プログラムで,冒険による人格形成を学校教育に取り入れやすいように工夫されています。 Project Adventureの目的は,冒険活動をとおした自己概念の変容です。非日常の冒険活動の中で,他者とかかわり,心の葛藤を乗り越えて冒険を成功させる。それによって得られる達成感や仲間への信頼を,日常生活にも応用して,より肯定的な自己概念をつくるというものです。そうすることによって,その人は,より積極的な人生を送ることができるようになります。 ▼教師はどう変わる?ところで,よく「MAPで生徒がどう変わるか」と聞かれるのですが,実際に学んでみて気付くのは,生徒が変わる前に教師が変わるということです。 You can lead a horse to(the) water but you can't make him drink.(馬を水辺に連れていくことは簡単だが、水を飲ませることは不可能だ)という言葉がありますが,「水辺では水を飲む」という正解を教師が押しつけるのではなく,他の馬たちとのかかわりの中から,それをつかみ取る支援をするのが私たちの仕事だ…というふうに,立場が変換します。生徒を引っ張ろう,導こうという肩に力が入ったスタイルから,生徒の心の中に生じる学びを支援しようというスタイルに変わるのです。 実際に,MAPを学んだ教師たちが,どんな授業を実践しているのか,毎年3月に実践事例集が出されていますので,教師がどういうふうに変わったか,ぜひこちらをご参照ください。 ▼MAP → グループカウンセリングカウンセラーの先生方は,毎日のように,悩み傷ついた生徒たちの対応に追われていることと思います。そういう課題を抱えた生徒たちにとって,今の教室環境って安全な場になっているかどうか…。私も昨年度,ある生徒にとって安全でない教室をつくってしまいました。 成長のための安全な場をつくるということは,先生方が一番力を入れて行っている優先課題ではないでしょうか?実はMAPでも,「安全な場」をつくるためのルールが存在します。それは,ここに記された二つの言葉<フルバリュー>と<チャレンジ・バイ・チョイス>です。 (二つの語句を説明) この二つの約束を,グループ内に浸透させながら,安全な場をつくって活動を行っていきます。ところで,これらはPAJから出版されている本なのですが,『アドベンチャーグループカウンセリングの実践』という本には,題名の中にカウンセリングという言葉が入っていますし,『対立が力に』は,対立を成長のための題材にして,対立解消スキルを学ぶという本です。 これらの本の題名を見るだけでも,PAとカウンセリングの結びつきの強さが分かります。MAPも,このPAの流れをくんでいるので,カウンセリングとのかかわりがとても強いのです。安全の確保された人間関係の中で,自分自身についての学びを体と心をつかっておこなっていく。これはカウンセリングそのものではないでしょうか。そのカウンセリングを「集団」という場の中で,体を動かしながらやっていこうというのが,MAPの他にない特質です。 MAPが,先生方のカウンセリングとタイアップすることで,生徒たちに,よりよい成長の場が与えられるのではないか。私はそう考えています。 ▼MAPの概要(終)最後に,OBSからひとつ言葉を引用して,MAP研ウェブサイトを紹介して終わり。 |
Summary of MAP |