トップページへのリンク kuni の研修日記

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kuniの研修日記(5)
尾久西小学校4年生 プログラム

平成13年7月22日(日) 8:30〜12:00

場所:日野春モデルコース
人数:56人(4グループ,1グループ14名)
目的:“みんなで協力すること”

スタッフ

田中(はるみ),長谷川(ムーミン),前澤(かな),畝本(うみ),小島(とも2),高城(クニ)

 今回の研修は,僕にとってあの有名な日野春のモデルコースに初めて足を踏み入れる機会となりました。移動にとても時間がかかるということで,前日にPAJのはるみちゃん(青梅在住)の家に前澤かなと一緒に泊めてもらい,朝5:45に車で出発しました。日野春に着くのに約3時間,なかなかの長距離ドライブでした。

 途中,ガストで朝食をとっているとうみと偶然会い,一緒にコースへ。そこにはムーミンととも2がもう到着していました。みなさん非常に経験を積まれているファシリテーターで一緒の時間を共有するだけで何物にも代えがたい研修になります。

 前日の夜,はるみちゃんとかなとミーティングをし,僕はかなのグループに一緒に入ることになりました。プログラムの目的にそってシークエンスを考えるという機会をこの研修の間はあまり考えることがなかったので,かなと一緒に考えたことはとてもいい経験でした。かなも中学校の英語の先生をしていたのですが,いまはPAなどを勉強中ということで,とてもすてきな人です。

 グループは見てみないとわからないので,大まかなフレームだけを作って当日を迎えました。とにかく3時間という短い時間なので思い切り声を出して遊ぼう(FUN!!)という感じです。

 先生にも積極的に参加していただき(先生のすばらしかったのは,指導者・支援者としてではなくグループの一人として関わっていただいたことです),子供たちも非常に素直で楽しく過ごすことができました。

 仲間探しやクイックラインアップに続き,進化論などをやったあと,せっかくの壮大にそびえ立つエレメントの力も借りることにしました。もちろん,ローエレメントまで。シェルパウォークで安全面に配慮しながら,同時に自然の音に耳を傾けながら,目隠しをした状態でエレメントまで移動しました。途中で「今,太陽の光はどっちから来てる?」とか「今何が聞こえる?」「地面はどんな感じ?」などと問いかけながらゆっくりと進んでいきます。子供たちも自然と前の人の肩に自分を委ね,自然を感じながら歩んでいきます。途中,丸太を越えたり,木の間を通ったりした小旅行は,ジャイアントシーソーの前で止まりました。目隠しをはずすと子供たちのほとんどは,自分がどこを通ってきたのかはもちろん,さっきまで活動していた場所がどこだったのかもわからないほど,森のパワーを十分に吸い取ったのでした。

 さて,ホェールウォッチングが始まりました。リードする子供,それに従う子供,また何も語らない子供などいろいろな行動が見られる中,なかなかうまくいきません。ばたばた動き回ったり,逆に全く動かなかったり…。そこでかなから「ちょっとタイム」という声がかかりました。「今どんな感じ?」「どうやったらもっとつく回数が少なくなるかな?」はじめは遠慮していた子供たちも,これまでの活動の流れからか,だんだん意見が出るようになってきました。この子供たちからは,不思議と相手をアタックする言葉は出てきません。すばらしいと思ったのはある子供が「○○くんは太っているから…」と言った瞬間にそれを訂正しようとした行動です。たぶん彼は「太っている」という自分ではこの場にふさわしくない言葉を使った自分に気付いたのでしょう。この行動にかなは少し付け足しをしてほかの子供の意見にも耳を傾けます。そこから行きついた答えは「体重は関係ないよ。乗る場所を変えればいいんだから」という結論でした。グループがうまく気付きあった瞬間だったのではないかと思います。そこからの再チャレンジはもう大丈夫。意見も活発に出て,地面に着く回数を前回よりも少なくすることができました。

 最後は子供たちがやりたいと言っていた,ニトロクロッシング。受け止められたい人,受け止められたくない人が多少意見を言い合える状態でした。「がんばれ」と応援する子供,やり方をアドバイスする子供,また「受け止めるから来い」と励ます子供,と全員が何らかの形でグループに関わっていました。

 振り返りでは「安心」「思いやり」「信頼」など我々大人の研修や体験で出てくる言葉が,当たり前に小学4年生の口から生の体験として出てきました。本当にすばらしいことなのだと思いました。

 今回の研修を通して感じたのは,確かにこの3時間で人間関係が変わったということはいえないのかもしれないけれど,変わる可能性を持たせることはできたということです。くにと言う僕の名前を全体で紹介したら,たまたま同じグループになった「くにお」くんが「僕もくににしたい」と言ってくれました。その日は彼が「くに」,僕は「くにくに」にしました。すると,「くに2号」が出てきて「ミニくに」も出てきて…。みんな何か共通点を求めているのだなと感じました。普段は小学生とあまり接する機会の少ない僕に貴重な経験をさせてくれたグループのみんなに感謝したいと思います。

 帰りは,日曜日の行楽地からの帰りとぶつかり30〜40キロの渋滞にはまりそうになりましたが,はるみちゃんの運転で奥多摩を経由し,近くの温泉に入って大量にかいた汗を流し,帰ってきました。奥多摩湖のドラム缶橋の真ん中から見た夕方の景色は僕の背中を後押ししてくれたように思います。

 グループにサポートする形で参加を許してくれたかな,「シークエンスを一緒に考える場面を与えてくれて,僕のことをフルバリューしてくれてとても居心地がよかった,これがフルバリューなんだよ,きっと」と思い切り感じることができる一日でした。あ,そうそう,はるみちゃんにとてもすてきな本を紹介してもらったのでみなさんにもあとで紹介しますね。もう本当にたくさんの本がありました。すべてPAに役に立ちそうな本で,みんなほしくなっちゃいました。

 はるみちゃんの住む青梅は,東京からもほど近いのに自然がたくさん残っていて,ファミリーレストランはとてもたくさんあり,車もそれほど多くなくとても住みやすそうなところでした。また遊びに行く予定です。

はるみちゃんから紹介してもらったのは…
PAのワークショップでリーディングにつかうもので,

GOLD NUGGETS Readings for Experiential Learning Education
Edited by JIM SCHOEL and MIKE STRATTON
PROJECT ADVENTURE
ISBN 0-7872-1925-8

です。僕も来年,授業で使おうかなと思うほどすてきな言葉がたくさんはいっているものです。ワークショップなどではこのリーディングも一つの心に刻むものとしてとてもいいものだそうです。APやABCでも語られた言葉…。それらが集まったものです。ちなみにもちろんすべて英語。これが少し問題…?(日本語訳はもちろんありません)

それではみなさん,また見てね。
kuni