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MAP研究会は,宮城県教育公務員弘済会の支援によって活動しています。

kuniの研修日記(3)
PAJファシリテーターズサークル@横浜中学校

ジャイアントシーソーにチャレンジ
<ジャイアントシーソーにチャレンジ>

6月16日(土)14:00〜18:00

 ファシリテーターズサークルは,ニノさん(二宮孝氏)が中心となって,年に3〜4回トキワ松学園や横浜中学校を会場におこなわれる有志のサークルなのです。PA主催のAPやABCの受講者が参加しています。ムーミンやセシボンなど群馬県や栃木県,神奈川県などの学校の先生,学習塾の担当者,将来PAを生かした職業に就きたいと考えている学生などいろいろな背景を持ったメンバーが集まっている。当日は約10名が参加し,県外からの参加者も非常に多く,意識の高さを感じました。もちろん僕が一番遠くからの参加だったけどね!(自慢)。

 この日は横浜中学校のヨッピー(吉田先生)とけん(鎗田先生)から横浜中学校でPAを取り入れる際の苦労された点などをお話しいただきました。本当に偶然に僕が心から聞いてみたいと思っていたことが参加者全体の場で共有されたのです。蔵王高校での導入の際の苦労などと非常に多くの部分で重なり大きな共感を覚えました(詳しくはFlying Chicken参照)。

 活動としては,全体のアイスブレーキングで

を行いました(これが当日の活動の見事なシークエンスの始まりだった…)。River & BankはFairを強化するには非常によい活動だそうです。これはずるをする人のいない,ずるのしようがない活動だから。ニノさんが助言をくれました。このように肯定的な強化をする活動は積極的に取り入れていければすごくいいですね。

 横浜中学校の現状について少し…
「さあ,PAをやろう!」といってPAを始めるほどばかげたことはない。(by KAT)
なんかかつての蔵王高校について突っ込まれたような気がしたのは僕だけ?Bob?

 校訓の一つに
「信頼を受くる人となれ」があるので堂々とPAを行える環境ととらえているそうです。

 鎗田先生のクラスのクラス目標として

  1. 安全でいこう
  2. するなしてやろう
  3. 楽しく行こう
  4. 前向きにやろう

が教室に掲示されていました。PA的でいいですね。

 授業展開の現状としては,体育の時間に2クラスを同時展開にして,1つのグループを15名程度に固定し,そこに年間を通して1人のファシリテーターがつく形で実施しているそうである。ファシリテーターにはヨッピー,けんのほかに,TEACHER,ちか,タッシュ,ペコちゃんなどいろいろな方々が関わっていました。うーん,層が厚い。頻繁にPAJからもくるそうです。

 横浜中学校では,実際にはPAを好んでいない生徒もいて,その原因を考えると

ということが考えられるようです。吉田先生によると,「教科の一つとしてとらえてしまうために,高学年になるほど拒否感が強まっていく」というお話しをされていました。

 そこで横浜中学校での今年度のアプローチとしては

に重点を置いているそうです。

 また,横浜中学生にPAを“やらせる”ことの難しさとして

をあげておられました。

 全体で横浜中学校の取り組みについて紹介を受けた後,昇降口前に最近設置されたというジャイアントシーソー(ホエールウォッチング)にチャレンジしました。いろいろなやり方について意見を出し合って活動を行いました。アメリカからのトレーナーではそれぞれいろいろなやり方があるんだねぇ。オプションを聞きたい人は聞いてね!

 そのあと,体育館に移動して,その他のエレメントなどを使って活動しました。

 はじめに横浜中学校には,ジャイアントラダー,ニトロクロッシング,モホークウォークなどのエレメントがあり,蔵王高校と同じような環境がそこにはありました。でも今後はお互いにさらに有効利用をしていかないとね。
 ポータブルパンパーポールの使用法がわからないというので,蔵王高校での実施の経験から大まかやり方を説明しました。途中でいなぶー,マスター,しゅう,外国からのビルダーが立ち寄り,すごいメンバーが集合し,地方にはないぜいたくな環境を感じました。
 次にトローリーを全員で実施し,意見を共有しました。体育館で使用する際の安全面での注意事項などについて意見を出し合いながら,学校現場でより安全に使えるような環境設定を行いました(トローリーは外だけかなと思っていたけど,結構体育館でも使えますよ,指定校のみなさん)。
 そのあとでモホークをやりました。短めのものをクリアしたあとなかなか次の長さを達成できず,そこでいったん休止し,スパイダーズウェブに移りました。全員の体を支える,持ち上げるという活動をしていなかったので人を通すのではなく,バッグからロープを取り出しそのはじにバッグを結びつけてそれを通すというフレキシブルな活動を行いました。方法は,ロープを持っている人は必ず目をつぶるというルールのもとで,コミュニケーションをとりながら網にさわらないようにロープおよびバッグを通過させ,また別なコースをたどって元に戻すという課題を設定しました。横浜中学校のタッシュが提案して行った活動でしたが,いろいろな方法があること,柔軟さが大事であるということを学びました。うーん,すごい。MAP研も柔軟性の場になることを期待しましょう。
 その課題を解決したあとで,参加者の距離が縮まりモホークに戻って見事に課題を達成しました。人の力を借りて支え合うということに関して遠慮がなくなり見事成功!ちなみに僕はバランス系はとても苦手。モホークやてつトラなんかとてもハイチャレンジ。
 そのあとで,振り返りと情報交換がなされ,宇都宮で活躍しているセシボンからコンピューターを使って活動の様子のプレゼンテーションがあったり,ニノさんからキャンプのファシリテーターの募集があったりと全員が何かを持ち寄り,何かを持って帰ろうという気持ちが感じられました。

 また振り返りの仕方についてのトピックで,意見を出し合ったあと,ニノさんから

という提案をいただきました。「中学生の段階で振り返りの意見を求めるのは難しいかもしれない。今は大学生でも簡単にはできないかもしれない」と。

 横浜中学校では振り返りに,パワーメーターや色で表す方法など,その紙を準備して行っているそうです。文章で表現するということに面倒くささを感じている生徒もいるので,そのような形で終わりにすることが多いということです。また「モール(手芸屋さんで売ってるあれ)」を使って自分を表現するという振り返りの仕方をしているファシリテーターもいました。これは多くの人が利用している。マスターもだし,kanaもだし…。問題なのは振り返りを出してもらうことではなく,自分の心に気づきを与える機会を作るということなのかなと感じた。

 今回のサークルに参加して感じたことは,参加者は自分たちの強い要望で自ら申し込んでAPやABCを受けているメンバーであることです。宮城県の教員のように与えられて始めたのではないので,すべてにおいてどん欲さがひしひしと伝わってきました。「これはいい」と強く学校に訴えかけているのに学校では全く見向きもしてくれない,だから細々とでも,自信を持って自分を信じて自分の現場に取り入れている,という方々の集まりのように感じました。実際,ムーミンのようにPAJからの依頼で各地域のPAの活動にファシリテーターとして参加している人も多く,このような意識を持った教員が宮城県内にも増えれば様々なアイディアが生まれてくるだろうと感じました。蔵王高校の情報はいろいろ知られており,ハイエレメントをどのように使っているのかなどいろいろ質問を受けたがその答えになるべき活動に至っていないことに,未熟さを感じました。がんばろうね,Bob,Higu,Mac!!

 以上,とりあえずかなり昔の日誌です。ちょっといろいろ考えることがあって日記をストップしていましたが,もう一度書こうという気持ちになる出来事がありました。APのみんな,ありがとう!この気持ちをMAP研全体で共有するのが,僕たちの使命だろうね。