【白石市犬卒都婆の球状閃緑岩】 白石市の東方にある犬卒都婆(いぬそとば)部落には,菊面石と呼ばれるちょっとかわった閃緑岩が産出します。岩石の中に直径数cmの球状の構造が密集する部分があるのです。まるで菊が咲いているようなので菊面石と呼ばれていて,大正12年に天然記念物に指定されました。 天然記念物に指定されてからは,当然採集や移動が禁止されています。また,現在直接観察できる露頭もありません。しかし,ある民家の庭先に,立派な菊面石がおかれていて,今回の巡検ではそれを見せていただけることになっています。写真の上の方です。この菊面石,実は一度ドロボーに遭っているのです。ある晩,この家の方がトイレに立って何気なく庭を見ると,さっきまであった菊面石がない!あわてて駐在所に連絡したら,ドロボーはすでに捕まっていて,石も警察が保管していてくれていました。ちょうどそのとき,仙台で起こった殺人事件の検問をしていて,大きな石を積んだ怪しげな車がその検問に引っかかったのだそうです。無事に戻ってきてよかったですね! 巡検では寄りませんが,この民家から2km弱先には,菊面石をまつった「菊面石神社」というものがあります。なぜ石をまつったのでしょう。 この球状閃緑岩については,巡検講師の長瀬先生が共著で論文を書かれています。講演のときにこれに関する話題も出てくる予定です。お楽しみに!
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