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▼Sphinxさん:
>「前兆」とはいいにくいと思いますが,「関連」についてはどうですか?
「関連がある」と言えるような証拠は何もないです.
5月の地震と今回の地震では,発生場所も水平距離で50km離れているし深さは70kmと10kmというように違う.プレート内地震と内陸地殻内地震というように種類も違う.
5月の地震の後,歪みの状況が大きく変わっていたということもない(国土地理院によるGPS観測).
微妙な,ほとんど観測機器にとらえられないような応力変化があったのかもしれませんが,あったとしてもその程度.そういう微妙な変化ならあってもとらえきれないので,「全く関連なし」と言い切ってしまうことはできませんが「関連がある」根拠になるものもないので,「関連は薄い」ということになります.
>前回の5月26日の地震以降,あの辺の地震活動が活発化しているとのことですが,それってやはり日常的な地震の頻度と比べるとかなり多いのでしょうか?
「ゆらぎの範囲内」,という言葉を私たちはよく使います.大きなイベントがなくても地震数が多くなったり少なくなったり,ということはどこでもあることです.そういうのを「ゆらぎ」と言います.今回もその程度.昔もそのくらい地震が活発化したときもあったけど何もなかった・・・でも今回は大きな地震につながってしまった,という程度です.
地震活動状況が「ゆらぎの範囲内」を越えて有意に変化したり,歪みに大きな変化が現れたりしたらそのときは気象庁又は政府の地震調査委員会(気象庁は文科省といっしょに事務局,気象庁などのデータを大学の先生方が見ていろいろコメントを出すところ)は情報を出すと思います.東海地震ほど「来る」という確信は持てなくても,日本中どこに関しても異常だと思ったら情報を出すというのが昨今の情報開示の流れに沿ったやり方だと思いますし.
ちょっとでも普通と違うところがないか,本庁も管区気象台も毎日注意して見ています.何かあったらすぐ本庁に情報が来て対応できるようになってますのでご安心を.
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