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「できる子は放っておく…だってできるんだから」
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 Sphinx E-MAILWEB  - 07/6/17(日) 7:26 -

引用なし
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   ▼エフェメラルさん:

こんにちは。

>★受け身じゃないLってどんなLですか?
>★「教えてもらえれば習得できる」逆にいえば「習得できないのはきちんと教えてもらえないからだ」という信念を再考してもらうにはどうしたらいいのでしょうか?(Tの力不足の言い逃れととられる?)
>★Lが自分の道しるべを自分で決定していくのに必要なTの役割ってなんなのでしょうか?

私の感覚に一番合うのは,PISAのテストで世界一となったフィンランドの教育です。フィンランドの教育についての1冊の本を少しずつ読んでいるところですが,例えばこんなことが書いてあります。

「フィンランドの学校は,できない人の底上げはするけれど,できる人は放っておくんです。だってできるんだから」
「PASAの重要な成果の一つは,生徒個人の成功にとって自らのやる気と動機がきわめて重要であるということです」

フィンランドの教育の特徴は,平等と個別化です。習熟度別のクラスわりはしない。だけど,集団は小さく,授業の中での学びは個別化されている。こどもたちはその中で自分の責任と意欲で学んでいるのです。

自己教育力とか自己強化という言葉がありますが,学校教育の究極の目標はこの「自分で学び続ける意欲と力」をつけることだと思いますねー。一生学び続けること(生涯教育)は,人生の楽しみでもあるし,人生をステップアップするために必要なことでもあります。

>自分のなかで一つだけわかっているとすれば、
>『Lの黒子であれ』『Lの踏み台であれ』ということだけなのです。

自分で学ぶことが楽しい,努力できる自分がうれしい,自分の成長は喜びである,そういう感覚を持ってもらうのが教師の仕事だと思ってやっていますが,では何を与えたら,どんな体験をさせればそうなるか,というところが問題なわけですね。
『Lの黒子であれ』『Lの踏み台であれ』というのは,学びの主役を教師が奪わないということだと思いますが,それもとても大切なことだと思います。生徒に失敗させることも含めて。最近の教育は,生徒に失敗をさせないようにできてませんか?

>MAPの実例をもっと知りたいと思っています。
>MAPではどのようなカリキュラムがあるのですか?
>それぞれのねらいはなんですか?
>実際プログラムをやる前にLは何に気づきますか?何を思いますか?
>やった後には何に気づきますか?
>それがLの社会生活のどういうことにつながっていきますか?
>そしてこれが一番の関心事ですが、
>Lの一連の流れを見たTは何に気づき、何を改善しますか?
>何を授業に取り入れようとしますか?

そうですね…。ここに文章だけでこれらのことを表現することは難しいです。

2泊3日でいくつかの学校から集まってきた20名ほどの生徒を受け持ったとき,その中で数人のリーダーグループが形成されました。そのリーダーたちは議論や活動で常に中心となり,テキパキと進めているように見えるのですが,実は他のメンバーの声を十分に聞いていないために,リーダーたちと他のメンバーの信頼関係はありませんでした。1日目にそういう状況が見えたので,翌日にどのような活動を持っていくか,私たちは深夜まで話し合いました。ポイントは,そういう状況がよく見える活動を持っていき,それについてみんなで話し合い,気付きを求めていこうというものでした。

2日目。ちょっとしたアイスブレーキングの活動のあと,メインの活動を行いました。内容は,1から30までの数字が書かれたスポットを,全員で分担して順番に踏んでいく」というようなものです。タイムトライアルで目標を設定して制限時間内にクリアするのが条件。数字のエリアには同時に二人以上存在できないなどの条件があります。昨日と同様に,リーダーグループだけが発言をしてやり方が決まり,他のメンバーは無言で従います。でも目標を達成できませんでした。

活動後に今の活動を振り返ります。片手で今の活動の満足度を表現すると,2や3が目立ち,5はほとんどいませんでした。
・どうしてこんなに満足度が低い?
・みんなの満足度を5に近づけるにはどうしたらいい?
そんな話し合いを行いました。その結果出てきたことは,
・一人一人の意見を聞く
・今まで黙っていた人も意見を言う努力をする
・言えない人がいたら「〜さんはどう?」と発言を促す
ということです。全部生徒たちからでてきた言葉です。

では…その約束を次の活動で実際にやってみましょうか。ということで,昨晩想定していた活動の中から一つ選んでやってみました。丸太の上に一列に乗って,落ちないで誕生日順に並べ替えるという活動です。丸太に一列になっているので,丸くなって相談すると言うことができず,一列になった丸太のいろんな場所で「どうやればいいんだ?」「こうしてみたら」というような話し合いが生まれます。

課題を与えられたときは「えー」という驚きの声があがり,そんなの無理だという心の声も聞こえてきましたが,みんなであれこれ相談してやってみると,ちゃんと昼食前に課題を達成してしまいました。2泊3日の研修の中で,この活動が一番印象に残った生徒が何人かいました。

この活動で,生徒たちの結びつきがグッと強まりました。遠慮していた(主に女子)生徒が意見を言うようになり,リーダーたちもその意見を上手にすくい上げるようになり,グループが全体的に動き出していきました。

※ちなみにこれらの活動はすべて林の中で鳥のさえずりを聞きながら行います。気持ちいいですよ!

少し長くなりましたが,MAPではこのように集団の様子を活動の中から観察し,その集団が学びを得られるような活動を選んで与えていきます。その活動をしただけ終われば個人内の学びに限定されてしまいますが,活動後に全員で話し合いをすることによって,集団の学びにしていくのです。ちょっと言葉が足りませんが,雰囲気はつかんでいただけるでしょうか。

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Tの気づきとは? エフェメラル 07/6/16(土) 2:03
「できる子は放っておく…だってできるんだから」 Sphinx 07/6/17(日) 7:26
Re:「できる子は放っておく…だってできるんだから」 エフェメラル 07/6/23(土) 2:30
馬を水場に連れて行くことはできるが… Sphinx 07/6/23(土) 7:40

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